ネタ収集のアンテナは常に尖らせろ(夏油) ページ21
最近よく七海から話を聞く。
それは大体疲れた顔をした七海と休憩室で顔を合わせた時に、七海がぼそぼそと話し始めるのだ。
その内容の大体はAの悪行。
「また疲れた顔をしてるね」
「…………夏油さん」
「またA関係?」
「えぇ……まぁ……」
七海が持っている缶コーヒーに目が行く。Aがいつも飲んでいるものだ。
Aに奢られたのだろうか。
「あの人……今日の任務でゴミ荒らしたんですよ」
「…………ん?」
私は一瞬思考が停止した。
ゴミ荒らしと任務という単語がうまく結びつかない。
任務でゴミ荒らし?逆にどうやったら任務でゴミを荒らせるんだ。
「それで、片付けないといけなくなったんです……」
「それは…………大変だったね」
任務後のゴミ拾い。七海のこの疲れた顔にも納得がいく。
私は少し七海に同情した。
「……そのゴミを荒らかした場所がちょうど公園だったんですよ」
まだ話を続ける七海にAはそれ以上のことをやらかしたのだな、とすぐに察しがついた。
ゴミ荒らした上で何をしたのか。
「まだ昼過ぎごろだったので、子供達がたくさんいたんです」
子供達。なんだか嫌な予感がする。
「Aさんが、いい考えがあるって言うから見ていたんですけどね……あの人宝探しゲームとか言って子供達にゴミ拾い手伝わせ始めたんですよ」
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作者名:フルーツパンチ侍 | 作成日時:2023年9月14日 12時