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「……あなた、とうとう気が狂いましたか」
「失礼だな建人!!帰ったらクソガキどもに聞いてみろ!!本当だから!!」
あの先輩達の言うことは当てにならない。
そんな非現実的なことがあってたまるものか。
「異世界ってどんなところなんですか!?」
Aさんの戯言を信じ込む馬鹿がここに1人。
「そうだな〜私は歌舞伎町で真選組をやってたんだけどな、」
新撰組。
いつの時代の話をしているんだこの人は。
「異人達がふんぞりかえるその街で、私たち……Z戦士は諸悪の根源と戦っていたんだ!!」
「Z戦士?!なんかかっこいい〜!!」
「あなた怒られますよそれ」
「テロリストに爆弾魔、地球を狙う宇宙海賊、天導衆……あとピッコ◯大魔王。そいつらをまとめ上げ、平和な世界を作るために、私たちはシルバーボールを7つ揃える壮大な冒険していたんだよ……!!」
「壮大な……冒険……!」
私はため息をついた。
「…………という話を聞いて、灰原があれからあんな感じなんですが、その話、本当じゃないですよね」
体術訓練の時間、私はAさんに質問攻めをする灰原を横目に夏油さんに念のため確認してみた。
「うん、嘘だねそれ。ちょっと本当だけど」
ほとんど嘘だった。
「硝子ー、あそっちなんでそんなに強いのー?って聞いてみ」
「あそっち、なんでそんなに強いのー?」
「それはね…………Z戦士だからっ!!」
「ぶふっ」
「かっこいい…………!!」
指を2本ピンと立てるAさんに吹き出すクソガキ先輩2人。
家入さんは写真を撮ってるし、灰原に至っては目を輝かしている。
だが唯一、別の世界で真選組にいたことは本当だったようだ。
もはやAさんが別の世界から来たと聞いてもなにも驚くことはない。
まだ灰原にホラを吹き込んでいるあのロクでもない大人を見て、なんで一年も雇われているのか首を傾げたくなった。
ネタ収集のアンテナは常に尖らせろ(夏油)→←調子のいい大人の言うことは信じるものじゃない(七海)
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作者名:フルーツパンチ侍 | 作成日時:2023年9月14日 12時