調子のいい大人の言うことは信じるものじゃない（七海） ページ19
彼女は一応補佐監督の職務をしている。一応。
私たちの任務には高い割合でAさんがついた。
「お前らもニコイチなんだな」
「も、ってなんですか」
「お前らの一応先輩、クソガキ悟と傑も大体2人で任務行ってんだよ」
Aさんはよく先輩方の任務にもついていたらしい。
「五条さんも夏油さんも2人で……！！俺たちも頑張ろうな！七海！」
Aさんはよく任務地まで付いてきた。
そして一般人であるのにも関わらず、私たちが少し手間取る呪霊も簡単にぶった斬って祓ってしまう。本当に奇妙な人だ。
「建人〜雄〜コーヒーいる？」
「……いただきます」
「僕、コーラがいいです！」
「一丁前にリクエストしてきたか」
そして任務終わりに必ずと言っていいほど寄り道する。
あの先輩2人の送迎をするAさんを思い浮かべてみる。完全に問題児3人だ。
コーヒーの匂いが充満する車内で、私は気になっていたことを聞いてみた。
「Aさんは……一般人なのにどう言った経緯で高専へ？」
「んぁ？」
バックミラー越しにAさんと目が合う。
ただでさえ危険な運転をしているのによそ見するんじゃない。
「私は来たくて来たんじゃねぇんだよなー」
「えっ、そうだったんですか？！」
灰原があからさまに驚いた反応を見せる。確かに驚きではある。
そもそも一般人が補佐監督をやっているのも驚きだが、高専に来たくて来たわけでもない一般人が、なぜ補佐監督をやっているのか。
「私は馬鹿に巻き込まれてこっちに来ちまった、要は異世界人なんだよ」
「…………え、えぇぇええええ？！？！」
「ちょ、うるせぇ雄」
異世界人。なんだそのファンタジーみたいな話は。
ふざけているのだろうか。
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作者名：フルーツパンチ侍 | 作成日時：2023年9月14日 12時
