体は常に己の感情に実直（夏油） ページ13
私達は相変わらず居酒屋に来ていた。
あのあと、高杉さんに人でも殺せそうな目で睨まれ、私達は高杉さんに平謝りすることになった。
その後はAの部屋でゲームをして過ごし、居酒屋で晩御飯を食べることになったのだ。
「一度、晋助とこうしてヤクルコだけじゃなくて、酒も酌み交わして見たかったんだ」
「…………そうかい」
そう言って高杉さんに酌をするAは顔が緩んでいた。
それは桂さんや銀髪のあの男にふとした時に向けていたような、幼さが残るような表情で、その3人はAにとって特別なのだということがひしひしと感じられた。
「……それで、お前らは本当にどこまでもついてきやがって……金魚の糞になるのは勝手だが、別の金魚選んでくんない？」
「誰が金魚の糞だ！お前の方が成分的には俺らよりも糞じゃねぇか！！」
「それを言えばお前らはまんまじゃねぇか糞ガキ！！」
「なんだと？！」
「食事中にクソクソ言うな馬鹿」
「よく野良犬のう◯こ踏んで銀時に馬鹿にされてた糞杉クンにだけは言われたくありませーん！！」
「あ”ぁ？」
とりあえず、食事中に糞の話をするような大人にだけはならないでおこうと目の前に座るAと高杉さんを見ながら思う。
「てか、ほんと何しに来たんだよ。なんで私がこっちにいるって知ってんだ」
「テメェのことならなんでも知ってる」
「…………うん？」
「だからテメェがどこで何してるかなんたァ、すぐにわかるんだよ」
「…………うわぁ……知りたくなかった……旧友が実はストーカーだった事実…………」
「ストーカーじゃねェ、監視だ」
「こっわ。どっかのヘタな怪談より怖ぇわ。ちょ、そっち、避難、避難させて硝子」
「A、4人はきついんだけど」
それでも仲は悪くないようで、散々過去の馬鹿話を掘り返してはいつの間にか2人とも笑っていた。
その馬鹿話につられて、私達も気づけば笑っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 144人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：フルーツパンチ侍 | 作成日時：2023年9月14日 12時
