検索窓
今日:26 hit、昨日:39 hit、合計:29,868 hit

ページ ページ12

「テメェこそ、俺を叩っ斬らねェのか」
「ばーか。こっちに来て攘夷も真選組もあるか。それに言ってんだろ、馬鹿なことしたらシバいてはやるけど、叩っ斬って欲しいならあの腐れ天パんとこ行けって」
「馬鹿のツラ見にいくなんたァ願い下げだ」

そういう2人からは殺気も何も感じられなかった。

「なァA…………やっぱりテメェは俺と来い」
「まぁた始まった。冥土への道なんてやなこった。死んだら絶対地獄行きだし。お前も、私も」
「クックック……違いねェ」

喉のくつくつと鳴らして笑うその人は楽しそうだ。
Aのヤク◯トを飲む口も弧を描いていた。それは私達には見せないような表情だった。

「…………お前と落ちる地獄なら、悪くねェかもな」
「お一人様、地獄へご案内でーす」
「相変わらず可愛くねェなテメェは」
「可愛さを求めるならヅラに求めろよ。にゃんにゃんしてくれるかも知れねぇぞ」
「気色の悪ィこと言ってんじゃねェよ」

高杉さんと目が合ったAは、笑った。それはもう、子どものように屈託のない曇りひとつない笑顔だった。
それを見て高杉さんも頬を緩める。私達は完全にこの場には邪魔者だった。

「…………行こうか」

私達は目配せをし、A達に背を向けた。これ以上は野暮だろう。

「晋助」

笑い収まったAが、高杉さんの名前を呼んだのが聞こえた。

「ごめんな」

その一言は私達をその場に留まらせるのに十分だった。
Aが謝った。高杉さんはAを見たまま動かない。
だが、少ししてその手はAの頭に伸びていった。

「……テメェにそれを言われる義理はねェ」

そのまま高杉さんはAの頭を撫でた。静かな時間が流れる。
おい、と声をかけた高杉さんはAの顔に触れた。

「…………面倒くせェ女だ」

高杉さんはAの頭を自分の胸に引き寄せ、撫でた。私達からはAの顔は髪の毛で見えない。
子供をあやすように、Aを撫でるその手つきは優しかった。

体は常に己の感情に実直(夏油)→←前ページ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (36 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
144人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 銀魂 , さしす組
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:フルーツパンチ侍 | 作成日時:2023年9月14日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。