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何事も穏便に済ませよう(夏油) ページ7

私達はAに付き添って坂本龍馬の像を見に行っていた。Aはその像をじっと見上げていた。

Aに貸せと言われて渡したら、Aは水着の上から私の白いシャツを着た。
黒の、デザインが際どいその水着がスケスケだ。

ダボっとしているシャツがAが下に履いているデニムの短パンも隠していた。
その髪の毛は海に浸かって濡れていた。
この格好だけでも十分周りの男達の視線を釘付けにしているのに、それがさらにAの色気を引き立てていた。

「髷結ってる……」
「……Aの知ってる坂本さんは髷じゃないのかい?」

ぼそりと呟いたAに私は聞いてみた。

「あいつはもじゃ天パだし、こんな勇ましい顔じゃなくてもっとアホ面だ……」

とんでもない言われようだな。

「どんな人だったんだ?」
「そうだな…………とにかくアホ。変態」
「お前じゃねぇか」
「シバくぞ悟」

そう言いながらもAは悟をシバくことなく歩いていき、着いた先は資料館。
私達の分の入場券も買って、渡された。

「資料館?つまんね」
「じゃあ帰れ」
「案外悪くないかもしれないよ、悟」

Aと硝子は同じ速度でゆっくりと回っている。
硝子が案内役をしているのだろう。
私は軽く流し見していく悟についてまわった。

「はぁー……いつまで待つんだー?」
「仕方ないだろう。Aの旅行の一応のメインはここなんだ」

旅館にいる時と食べ物食べてる時の方がAのテンションは高いけれど。
ベンチに座って脚を組みながら悟は頬杖をついてむっすーとしている。
そんな顔でも顔は無駄にいいからか、女達は悟のことを見てそわそわしていた。

「あ、あの、良かったら一緒に回りませんか!」
「あ?」

まじか。女子2人組が声をかけてきた。
悟は不機嫌丸出しの顔だ。穏便に済ませられるだろうか。

ふとAの方を見ると目が合った。向こうも私達をじっと見ている。

あれはもしかしたら助けてくれるんじゃないか……?

じっと見つめているとAが歩いてきた。
悟も気がついたようで、目線がAに向いた。
Aの助け舟への期待が高まる。

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作者名:フルーツパンチ侍 | 作成日時:2023年9月2日 4時

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