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そのまま帰っても寝られるわけもない。
俺は背を向けたAを扉から睨みつけていた。

するとAが顔を顰めながら俺の方に振り向いた。

「……自分が眠れないからって私の睡眠を妨害するのはやめろ」

Aはため息をつきながらベッドから起き上がった。
こっちに近づいてきたと思えば、Aは俺の手首を掴んで部屋に引き入れた。

「は、ちょ、」

そのまま俺はベッドに投げ放るように手を離された。
なにがガキには興味ない、だ!俺はベッドに転がった俺を見下ろすAを見て思った。襲われる、と。

「ついに本性表しやがったな……!!俺がイケメンだから、」
「寄れ。黙れ。寝ろ」

Aは俺の声を遮ってぴしゃりと言い放った。
Aに足で蹴られてベッドの隅に追いやられる。
Aも少し空いたベッドに横になり、俺に背を向けた。
こいつ…………まさか一緒に寝るつもりなのかよ。

「無駄に図体でかいやつ……」

無駄じゃねぇんだよ。
シングルベッドに190cmに近い俺と175cmはあるAが横になるとかなり窮屈だった。
このまま大人しくするわけにはいかない。だが、肝心の自室もあのザマだ。

Aの背中がぴっとりとくっついている。
Aの長い、少しふわふわとした黒髪が顔にかかり、くすぐったい。
シャンプーの匂いと、いつもはコーヒーの匂いに混じっているAの甘い匂いが俺を包む。

寝返りもままならないが、Aの方を向いたままは避けたい。
背を向けたところでAの背中が俺の背中に当たるのは変わらなかった。

「お前さ……寝巻まで痴女丸出しかよ」

俺の声掛けには返答がなかった。
少し首をひねって見てみれば、細いむき出しの肩が規則正しく上下している。
無視しているのか、寝ているのか、どちらにせよ、いいご身分だな、くそ。

「五条、隈やばいね」
「桂さんと何かあった?」

授業をぼーっと受ける俺に両隣から野次が飛んでくる。

「……うるせー」

今日、自習の時間なくてマジでよかった。

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作者名:フルーツパンチ侍 | 作成日時:2023年9月2日 4時

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