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術式を持っていない呪霊にAがやられることはないだろう。
「ったたたた………………痛いではないか!!エリザベス2号!!大人しくしなさい!!」
「ヅラ、頭から血ぃ噴き出してんぞ。大丈夫そうか?」
大丈夫じゃないだろ。噴水のように噴き出してんだけど。
Aが桂の安否確認をした隙をついて呪霊がAの背後に回ってきていた。
あいつ、気づいてるよな……?
迫ってきている呪霊に一向に動かずにいるA。
まさかっ……気づいてねぇのか?!
「A!!!」
俺が叫んだと同時にその呪霊はまっぷたつに切れた。
…………は?
斬られたのだと、この目で見て頭では理解していたが、それは恐ろしく早かった。
「Aと、まだ話しているでしょうがァァアア!!」
「無駄に剣筋だけはやっぱりいいよな、ヅラ」
「ヅラじゃない、桂だ!!」
桂の方に襲いかかってきた最後の呪霊も、Aが即座に呪具を桂から奪い取り、ノールックで斬り捨てた。
「お前にはヅラぐらいがお似合いなんだよ」
「ふんっ…………お前も変わらんな」
「お前は少しぐらい変われよ。特にすっからかんの頭」
呪具の持ち手でAが桂の頭を小突くと、桂はまたすごい声を出して地面に崩れ落ちた。
あいつ前世ゴリラ悪魔とかなの?
だが、あの2人も、あの銀髪のように奥底の方で通じあっている何かを持っていた。
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作者名:フルーツパンチ侍 | 作成日時:2023年9月2日 4時