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「『そんな無理すんなよ。目に隈できてんぞ。仕事はちょっとサボるぐらいがちょうどいいんだ。面貸せよ、気分転換しに行こうぜ』ってカフェに連れていって下さった時はもう……!!死ぬかと思いました……。しかもそこめっちゃおしゃれで美味しくて、さらに奢ってもらっちゃって……。惚れるしかないですよね」
ちょっとサボるぐらいって、あいつだいたいサボってんだろ。むしろサボってしかねぇだろ絶対。
それにそこのカフェっていうのもぜぇーったい下見だろ。
俺たちと寄るところもいつもだいたいそうだ。
Aがどこでも人たらしを発揮してるのはわかった。
「……一応忠告しておくけど、あいつめーっちゃ性格悪いからな!!人をガキ呼ばわりするし、馬鹿にするしおちょくるし、本当はあいつが一番ガキっぽいし、いつもやる気ないだけだから!!」
「そうなんですか……?!」
「私達の前ではいつもそんな感じだよ。悪いことは言わないから、Aに執心になるのはやめておいた方がいい」
「えぇ…………」
よし、補佐監督引いてやがる!これでAの株もガタ落ちだろうな!
「それは…………羨ましいです!!」
「は?」
俺と傑の声が揃った。
「Aさんはお2人に心開いていらっしゃるんですね……!!とても楽しそうなAさんが目に浮かびます!!いつも大人っぽいのに、気を許した人にはそんな可愛らしい一面も見せるなんて……!!流石Aさん!!これは早速みんなに布教しないと……!」
「布教……」
思ってたのと違うんだけど。布教って、あいつ宗教でも確立してんの?
なんか逆に株上げちゃったくね……?
俺たちはそのまま高専まで送り届けられ、なんとなくもやもやとしながら自室に向かった。
「お前ら……補佐監督の誰かになんか言った?」
コーヒー全種とクッキーやらジャンん部やらなんかいっぱい腕に抱えて俺らの教室に来たAは開口一番そう言った。
なんか貢ぎ物増えてんだけど。
「…………知らねぇ」
「なんだよその間。……傑?」
「知らないなぁ。そんなことより、A甘いものあんまり好きじゃなかったんじゃ?」
傑がクッキーらしきものを指差しながらAに言った。
「あぁ……まぁな。だがせっかく私にくれたもんだから、食い切りたい。嫌いってわけでもないしな」
「A……イケメンすぎる」
「硝子もだろ。クッキーつまむか?」
だからこいつはモテるんだな。
クッキーをつまみながらジャン部を読むAを見て、そう思った。
教室の扉も戸締りしておいた方がいい→←人たらしには本当に気をつけろ(五条)
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作者名:フルーツパンチ侍 | 作成日時:2023年9月2日 4時