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別にいいが……、と頭に疑問符を浮かべているAをショッピングに誘うことに成功した。
Aのことだから断られることはないとほぼ確信していたが。
「痴女の付き添いだけだと心配だし、俺たちも行ってやるか〜」
「私達がいればいい虫除けになるよ」
「あんた達がいたら虫じゃなくて雌豚が寄ってくるから嫌なんだよ。散れ」
「硝子、お口悪くなってない?Aの影響?」
「雌豚…………硝子が総悟みたいなえぐいサドに……」
えぐいサドにはならない。
クズどもがショッピングにのっかってこようとするのを全力で拒否した。
だが、結果は見えている。
「おっまたせ〜硝子♡」
「やぁ、待ったかい?」
「……待ってねぇんだよクズどもが」
何故かショッピングの予定日時と集合場所がバレていた。
なにが悲しくてこいつら連れてショッピングしなきゃいけないんだ。
それにしてもA遅いな。
「すまん、少し遅れた」
そう言ってやって来たのは、ばっちばちに決まったセクシーコーデのAだった。
周りの男どもの視線がえげつないほどにAに集中している。
その圧倒的存在感に気圧されながらも話しかけようとしてきた男達はフル無視でこっちまで歩いてきた。
これで女子に優しくて、強くて(物理)、人たらしなんて、そりゃあいい女に決まってる。
「……どうしたの、その格好」
「硝子がせっかくデートに誘ってくれたから、ちょっと気合い入れてきたんだが…………お前らなんでいるんだ」
ちょっと、の度合いがわからない。
じとっと私の後ろに控えるクズ2人がAに睨まれる。
ヒールでAの目線は五条と夏油と近くなっていた。
クズ2人から返答はないようだ。
「まぁ……とりあえずクソガキどもは放って行こうか」
Aに腕を組まれて、私は歩き出した。
隣を見ると、超絶いい女が私と腕を組んで、私の歩くペースに合わせて歩いている。
なにこれご褒美かよ。
Aは私にどの店に入りたいか、よくきいてくれた。
私が興味を示すと、店に入って一緒に服を見てくれる。その上で私の好みに合う服も持ってきてくれて、的確な意見もくれる。
なにこれイケメンかよ。
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作者名:フルーツパンチ侍 | 作成日時:2023年9月2日 4時