検索窓
今日:49 hit、昨日:32 hit、合計:66,440 hit

ページ ページ34

まさか、傑があんなに手も足も出ないとは思わなかった。

「傑〜、大丈夫か?本気で蹴りすぎたかも、ごめん」
「ちょっと…………痛いかな……」

Aが傑に肩を貸しながらこっちに戻ってきた。
椅子に傑を座らせて、硝子に見てもらう。

「あー…………肋骨ヒビ入ってるかも」
「まじ……?」
「嘘だろ」

硝子の言葉にAは珍しく固まる。

「傑……ほんとすまん。詫びと言ってもなんだが、私の胸でも揉、」
「いらな、い”っ!」
「お前がそんなこと言うから傑が痛がってんだろうがこの痴女が!」
「悪かったって!じゃあなんか一つ言うこと聞いてやるから!死ぬんじゃねぇぞ!!」
「死なねぇよ!!縁起でもねぇこと言うな!!」

結局硝子の反転術式で傑の肋骨は無事に治ったが、それの反動で傑はベンチで眠っていた。

「はぁ……焦った」
「いや、お前のせいだよ」

Aはベンチに座って、寝ている傑の額に手を当てて見つめていた。

首に手を当てて心音まで確認してやがる。
縁起でもねぇやつだ。

「なんでA、そんなに強いの?」

硝子がふと気になるところを突いてきた。

「……私は強くはない。私よりも、きっと銀時の方が強いぞ」

銀時、と言うのはこの前に現れた銀髪男のことだった。

「そういえばあの人は帰ってったんだ」
「あぁ、朝起きたらあいつのいた形跡は跡形もなく消えていた。本当によかった」

本当によかった、と言う割に、その目が映していたのは安堵の色だけではないように見えた。

それに、形跡、あっただろうが、と喉元まで出てきていたそれを俺は飲み込んだ。

「あの人、Aのこと大好きだよね」
「周りにたまにでも奢ってくれるような奴が、私しかいないってだけだ」
「ぅ、んん…………」

俺たちの視線が一斉に傑に向く。
傑が寝ながら眉間に皺を寄せて唸っていた。

「お前が蹴り飛ばしたから悪い夢でも見てんじゃねぇの」
「まじか」

Aは傑の額に当てていた手を離し、立ちあがろうとしたが、止まった。
寝ている傑が、Aの手を掴んでいた。

「……えー、っと…………私はどうすればいい?」

俺も硝子もAから目を背けた。
えぇ……と、Aは珍しく少し狼狽えた様子だった。

彼氏は一緒にショッピングに行って見定めるべし(硝子)→←大人げない大人には常に気をつけろ(五条)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (26 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
51人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 銀魂 , さしす組
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:フルーツパンチ侍 | 作成日時:2023年9月2日 4時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。