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銀髪の男は落ち着きもなくきょろきょろと店内を見回している。
だがしっかり腕はAの腰を持っていた。
「……それで、なんなんだよコイツ」
「あ?お前こそなんなの?Aの何??しかもおもっきりキャラ被ってるし!無駄になんか銀さんよりきらきらしてるし!」
「悟とお前とじゃ到底キャラは被ってないから安心しろ腐れ天パ」
「さっきから名前呼びまでしちゃって、どーいう関係?!」
「少なくともお前が想像してるようなやましい関係じゃない」
銀髪の男が身を乗り出して悟を指さしている。
それをAは座らせる。
「こいつは向こうの世界で万事屋をやってる万年金欠のまるでダメなおっさん、略してマダオ、糖尿病末期患者だ」
「マダオ……」
「え、Aちゃん??紹介の仕方酷くない?」
「事実だろ」
「お待たせしました〜」
すごいタイミングでパフェが運ばれてきた。
銀髪の男も悟もそのパフェに意識を奪われた。
これ以上騒がれなくて助かる。
「こっ、これが高級チョコレート店のパフェの味……!」
銀髪の男はやけに感動していた。今までどんなものを食ってきたんだ。
それを見てAはふっと笑いをもらした。
扱いは散々だが、一応AもAなりに銀髪の男を気にかけてはいるようだ。
「感謝しろ。傑はそんだけでいいのか?」
「うん、私は甘いのはあまり好きじゃないから」
「お、傑もか。私も甘すぎるものは苦手だ。それ、美味いか?」
「甘すぎなくて美味しいよ」
「そうか。一口味見してもいいか?」
銀髪の男と悟の食べる動きが止まった。
「……いいよ」
その言葉にぎゅるんと銀髪の男と悟が振り返った。
「A?新しいの頼めばいいんじゃない??」
「いや、味見だけでいいんだ」
Aは私のドリンクを引き寄せ、そのまま飲んだ。
3人でそれをなぜか静かに見守っていた。
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作者名:フルーツパンチ侍 | 作成日時:2023年9月2日 4時