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銀時はなにも言わず、夜蛾さんが来るまで、ただ私に抱きついて離れなかった。
「この男はお前の知り合いなのか」
「まぁ…………そうですね」
「どうも、Aの夫の坂田銀時です」
「息をするように嘘をつくな」
夜蛾さんは教室の椅子に座っている銀時を見下ろしていた。
私は銀時の横に立ち、教室にいた3人は遠くからこの光景を見守っていた。
夜蛾さんはため息を吐いている。ため息をつきたいのは私もなんだよ。
「…………わかった、こいつのことはお前に任せる」
「え、夜蛾さん?ひとまず引き取ってくれないんですか?」
「お前の知り合いだろ」
「えぇ……」
夜蛾さんはピシャッと教室の扉を閉めて歩いていってしまった。
いや待ておいおいおい。
このカオスをどうしろと言うんだ。
「あのー、そこにいる3人は、誰?」
銀時が指を差す方向にいるのは、悟と傑と硝子だ。
「ここの生徒たちだ。ちなみに今は自習時間だった」
「え……A、先生やってんの?」
「先生ではない」
「どういうこと?……てかここ暑くない?」
銀時は勝手に立ち上がり、冷房を14度にする。おい、流石に南極みたいになるぞ。
冷房を設定した銀時はそのまま席にはつかず、私の後ろに回って、後ろから抱きついてきた。
「暑いから離れろ」
「やだ」
子供か。
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作者名:フルーツパンチ侍 | 作成日時:2023年9月2日 4時