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花火は綺麗だが、時に厄介(夏油) ページ17

高知で最後の日は地元の人に聞いた祭りに行くことにしたようだった。

「祭りがあるきに!って、思っきしあの、もじゃ弁じゃねぇか……!」
「土佐弁だろ。地元民にシバかれろお前」

地元の人をAは興味深そうに見ていた。

「祭りと花火か……!!」

子どものように祭りでテンションを上げるAに笑みがもれる。
ここの祭りは有名なのか、夕方の時点でもうすでに花火を見るための席どりをしている人がいた。
私達もどこか場所をとっておかなければいけない。

「私はここで待ってるから、出店回っておいで」
「いいのか……?!助かる!ありがとう傑!」

ブルーシートを敷いてそこに座り、私はスペースを確保した。
Aは私の頭をわしゃわしゃ撫でると目にも留まらぬ速さで出店の方へ紛れていった。
髪がくちゃぐちゃだ。

「あっ、おい!!俺も連れてけ!!」

悟もその後を追って出店の方に走っていった。
硝子は出店に興味がなさそうに、私とブルーシートの上に座った。

「A、元気になったみたいでよかった」

硝子がタバコを取り出して咥えながら呟いた。
昨日はあの電話以降、元気がないように見えていた。
だが、今日の朝には普通に戻っていたから私達は安心していた。

「でも昨日の電話の声はAのことを、とても心配していたようだった」
「まぁー、1ヶ月も行方くらましたらそうだよね」

その1ヶ月、Aは私達と一緒にいた。
1ヶ月もどこにも見つからないとなると、心配するのも当たり前だろう。
電話口の声には、必死さがあった。

「Aも帰りたいのかな」
「…………そうかもしれないね」

Aと1ヶ月一緒にいて、私達は完全に彼女に情を持ってしまっていた。
人たらしになれと私達に言ったAこそが、本物の人たらしだった。
Aは人に好かれる天才だと思う。

「傑〜硝子〜大漁大漁〜!!」

帰ってきたAはその腕に大量の食べ物を抱えていた。
悟もぶっすーとした顔をしてその後をついてきていた。
同じく大量の食べ物を持たされている。

「どれでも好きなもん食え〜!」

ブルーシートは私達の座っているスペース以外全て食べ物が敷き詰められた。

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作者名:フルーツパンチ侍 | 作成日時:2023年9月2日 4時

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