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『本当に……Aさんが心配でコーヒーゼリーも喉を通らねェ。一つ残してしまいやした』
「ん……?ちょ、ちょっと待って、9つ入ってたよね??8つ全部食ったの?!?!」
『なんのことアルか?!コーヒープリン??お前サドひとりじめずるいアル!!それどこにあるネ!?』
「神楽?!?!ちょっ、あと一個?!?!はっ?!?!それ9つで一年待ち、5万のコーヒーゼリーなんだけど?!?!」
『9つのコーヒーゼリーから一年かけて作った5万個のプリン?!A!!どこに隠したアルか!!』
「一つもあってねぇよ!!お前ら何のために電話してきた?!?!私に嫌がらせするためか?!」
本当に嫌がらせのようなことしか電話からは聞こえない。
『Aさん、いつ帰ってくるんですかィ。Aさんがいねぇと真選組が上手く回らねェんですよ。山崎はミントンばっかで情報も入ってこねぇし』
「山崎がミントンばっかなのは今に始まったことじゃねぇだろうが。私がいなくても、真選組はガタ言わせながらも回るだろう。私がいなくなって崩れるほどヤワな組織じゃねぇよ真選組は、」
『必要なんでさァ!!俺には……俺たちには、Aさんが……!!だから、早く、帰ってきてくだせェ』
その声は願いを乞うような、縋るような声だった。
Aは、Aの世界で帰りを待ち望まれているのだ。
「……土方さんにも言ったが、いつ帰れるかもわからん上に帰り方もわからん。正直、帰れるかどうかも怪しい」
『……どういうことだよ』
「どういうことって、ほぼ99.9パーお前のせいだからな銀時。……今、おそらくどこかの世界線の未来にいる。今ちょうど、帰れる手立てを見つけるために、歴史研究の旅の最中だ。だが今のところ、やっぱり唯一の希望は源外のおっさんだけだ」
『……源外のジジイが機械を作りさえできれば、Aさんは帰ってきやすよね?』
その声は不安そうに揺れている。
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作者名:フルーツパンチ侍 | 作成日時:2023年9月2日 4時