私が生きる意味を知る場所 (ページ44)

今日:19 hit、昨日:1 hit、合計:41,747 hit

４３話ページ44

広い海の見える場所

大きな木の根元

そこに、彼は眠っている

朝から兄さんに連れ出され、街を歩いた

緋色のマフラーを買ってくれた

高めの酒屋に足を運んだ

美味しいクレープ屋を奢ってくれた

観覧車に案内してくれた

素敵な花屋で花束を買った

最後に

織田作の墓に来た

「織田作、、二年ぶりだね」

九十九さんの所へ行くとき、一度だけ訪れたことがある

「今はとても充実した毎日だよ。自殺をする暇もない位さ」

花束を供える

織田作は喜んでくれるだろうか

「私ね、今、呪術師になって呪霊を祓っているんだ。呪霊はね、人から生まれるバケモノで人を傷つけるんだ

私、今、人を救えるような仕事をしているよ」

今の私を、貴方はどう、思うかな

今まで巻いていた青色のマフラーを思いっきり外し、空に投げる

遠くにひらひらと舞っていった

そして、兄さんが買ってくれた新しいマフラーを巻く

「似合っているよ」

「うん」

それから、木の元に座って談笑した

日本酒がそのペースを少しだけ速くする

会っていなかった二年間の事

兄さんが出会った探偵社の人
私が出会った呪術師の人

兄さんが解決した事件
私が遭遇した呪霊

織田作に分かるように話すのだ

今、とても、幸せだと