39話 ページ40
あああーーーー、嫌な事思い出したな
「よお、やっとお目覚めかい?」
「中也さんですか」
入口から入って来た中也さん
「あんなにキレイにハマって、たった三時間で起きるなんてなァ」
中也さんは私に近づき私の横の壁に拳を打ち付けた
当然のことながら、壁はひびが入った
「年頃の女の子を鎖で繋げて、そういうプレイなんですか?私にはそんな趣味はないのだが」
「安心しろ、Aをそんな目で見たことはねェ」
「ひどーい」
同時にカランという音で鎖が取れたと分かる
「チッ。相変わらず、、、んで、ここからどうやって逃げるつもりだ」
「まあ、ここは元の庭。経路くらい頭に入ってますよ」
「そーかよ。まあ少し、思い出話でもしようぜ
手前が初めて人殺したのはここだろ?懐かしいか?」
いやなこと、、を
『A君。ようこそ、ポートマフィアへ』
森さんの声が聞こえた
「ぼ、、す、、、」
後ろを振り向いても誰もいない
この部屋には私と中也さんだけ
服を確認する
高専の制服だ
私はポートマフィアじゃない
「目を逸らすなんて余裕だなァ!」
一瞬だった
対策などする暇もなく、首を掴まれた
「カハッ」
足がギリギリ着くか着かないかという所で、首を締め付けられる
「ポートマフィアに戻れ。俺の補佐の席を開けてある。首領も許してくださるそうだ」
「ぜ、、、たい。や、だ
わた、、し、は。いきる、、てき、めた
いまの、、なか、ま、と。いまのばしょ、、で
いきて、いた、い、、て。お、、も、、た
もう、、、むかしには、、、、もどら、、ない!」
息が出来ないから途切れ途切れだ
「チッ。そうかよ。勝手にしろ」
暫くしてから中也さんは手を放してくれた
緩んでいたマフラーも巻き直してくれた
「まあ、頑張れよ」
そう、帽子を深く被りなおして、地下牢から出て行った
「あ、あの!今まで、ありがとうございました」
兄さんの相棒でよく面倒を見てくれていた、私の師匠
中也さんがいなかったら今の私はいないから
深く深く頭を下げた
中也さんは静かに、何も言わず、こちらを見ることもなく。ただただ軽く手を振ってくれた
この時、中也さんがどんな顔をしていたのか、私は知らない。
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作者名:デカプリン | 作成日時:2021年11月12日 23時