風【呪術廻戦】 (ページ10)

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五条side

五条「おい。」

『ん？』

呑気に呪力を頼りに呪霊の方へ歩いている背中に声をかければ首を傾げながら振り返り後ろ歩きを始める。

五条「俺が祓うからお前離れてろよ。」

『ヤダ。』

五条「はぁ？」

『うちにやらせて？
やってみたいことあるから。』

五条「…2級がほざいてんじゃねぇよ。」

『前にも言ったじゃん。
特級くらい祓ったことあるって。』

五条「それでも2級だろ。」

『まぁ見てなって。』

五条「今度こそ死ぬぞ。」

『別に五条いるから呪霊祓えるでしょ？
なら問題ない。』

五条「は…？」

こいつ、自分の命のことなんとも思ってねぇじゃん。

自分が死んでも俺が祓うから大丈夫だ？

何言ってんだコイツ。

『お、発見。』

嬉しそうな顔をする。

五条「おい待て！」

『っるせぇな。黙って見てろよ。舐めんな』

五条「ｯ……」

大人しくなった俺を見て満足気に呪霊の前に立つ。

『…刀風＋竜巻。』

そう呟いた瞬間、呪霊を中心にひとつの竜巻が発生し、それは徐々に細くなり呪霊と一緒に消えていった。

なんで。

なんでこんな奴が2級なんだ？

『おっし成功！
五条甘いの好き？食べ行こ～。』

上機嫌で来た道を戻るコイツの肩を掴んでこっちを向かせる。

五条「今のなんだよ。」

『え？』

五条「今の！」

『あ、術式のこと？
刃みたいな…えっと切れる風？で作った竜巻で呪霊を閉じ込めたの。
それを細くしていけばみじん切りになって祓える。
そんだけだよ。』

五条「…そうかよ。」

いくらそれが強い合わせ技だとしても、2級の攻撃て特級が為す術なく祓われるなんてことがあるのか？

五条「…お前の家族で特級術師いたか？」

『いないよ？
そもそも先祖も含めて呪いも見えない非術師。』

五条「…マジかよ。」

『大マジだよ。
そもそもこんなとこで嘘ついてもしょうがないし。』

あ、でも一応個人情報か。

とブツブツ言っているコイツ。

絶対ただもんじゃねぇ。