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Aside



夜蛾先生に報告書を提出し自室に帰る途中で、またさっきの2人に会う。



『まだいたの?』


五条「別にいいだろうが。」


『ダメとも言ってないでしょうが。
ご機嫌ななめだねぇ?』



そう言って煽るように見上げればフイっと顔を逸らされる。



夏油「なんで不機嫌なのかはAが1番わかってるだろう?」


『まぁね〜。
精神面はまだまだガキだね〜。』



ぽんぽんっと肩を叩けば、手首を掴まれる。

そのままグイッと引っ張られ、五条との距離が近づく。

その瞬間、女物の香水が鼻をくすぐる。



『ッ五条、離して。』


五条「ヤダって言ったら?」


『ごめんマジで。頭痛い。』


五条「は?大丈夫かよ。」



顔と顔の距離が更に近づき、匂いがキツくなる。


香りには敏感で、香水なんて以ての外。

苦手とかじゃなくて無理なのである。

微かならまだいいけど、至近距離で嗅ぐと頭痛がする。

現に今もズキズキと頭が痛みだし、気分が悪くなる。


はぁ と小さく息を吐き、一言。



『突風。』



一瞬ブワッとその場に強い風が吹く。

驚いた五条は手を離し、うちは距離をとる。

大きく息を吸い込み、脳に酸素を回す。



『ごめん、大丈夫?』



突風で飛ばされたサングラスを手元に来るよう風を調整し、キャッチして五条に差し出す。



五条「…そんなに嫌だったかよ。」


『ん?何が?』


五条「別に。」


『…拗ねちゃったよ傑。』


五条「拗ねてねぇ。」


夏油「だって。」


『ふーん。』



大ちゃんポーズ(伝われ…!)で鼻を擦りながら、続ける。



『五条って香水付けるんだね。』


五条「あ?」


『めっちゃローズマリーの香りして頭痛くなったんよ。』


五条「んなもん付けて………あ。」


『どした?』


五条「いや、なんでもない。」



そう言って、五条はどこかへ行ってしまう。



『え、どゆこと?』


夏油「…Aは純粋なままでいてくれ。」


『あ、傑はわかる感じ?』


夏油「まぁ…。」


『教えてくれる気はないと。』


夏油「うーん…。」


『ま、無理にとは言わないしいいよ。』



それじゃ、と手を振って今度こそ自室に戻った。

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作者名:鈴香 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/11241/  
作成日時:2021年1月22日 9時

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