存在証明【呪術廻戦】 (ページ25)

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＿ﾋﾟﾄｯ
＿＿ﾋﾟﾄｯ

『…んだよ…ｺﾚ…』

戦闘をしながら、やってきた場所には
数々の死体。

呪霊に襲われグチャグチャになった人の跡
流れて止まらない血
人の死の積み重ねが目の前に広がる

蘇る友の死＿＿＿＿＿
久遠は決して人の死を乗り越えたわけじゃない
いつだって、引きずって生きてきた。

イカれた呪術師の中で生きるにはあまりにも誠実すぎる彼が、こんな多くの人の死に何も感じないないわけがなかった。

『…』

振り返ることも突き進むこともできなかった。

ただぼんやりと見つめるだけ＿＿＿＿＿。

＿＿＿ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ

「ｸﾞｴｪｪｪｪ」

低級の群が走ってくる

＿＿＿＿＿ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ

その距離は5メートル、3メートル、1メートル

徐々に近づくのに足が動かない。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿逃げていいのだろうか？

死んで行った彼らを捨てて

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿生きてていいのだろうか？

人を救える力を持っているくせに

気づいた時にはもう、呪霊は目の前で
あぁ、ここでおしまいなんだ。なんて
他人事に感じていた。

むしろ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

果てのない術師というマラソンゲームを

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿終わりしようか。

ｸﾞｼｬｯ

鈍い音は誰にも届かず、
低級の群れはまたどこかへ
新しい被害者を探しに走り去る。

残ったのはただ、静けさだけ＿＿＿＿＿。

＿＿＿＿＿ｷｰﾝ

耳を劈くような高音

血で塗れた視界に映る微かな影

『……』

死ぬ間際の幻

そんなものだと思っていた

『…灰原？』

もう10年前に亡くした友が

目の前に立っていた＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿。