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新田「今日の任務は、高専からそう離れてないとこッス。」
補助監督 新田 明 の運転する車に揺られながら
任務先へ向かうA
1級術師との任務ともなると難易度はあがるが
今回は2級呪霊がゴロゴロいるってだけで
Aにとっては軽い任務だろう
新田「帳を降ろすッス!」
《闇より出でて闇より黒くその穢れを禊ぎ祓え》
_____ズンッ
日常の世界から隔たる壁。
もうそこには、新田の姿は見えなくなっていて
Aは、まっすぐと建物の中に入っていく。
_ピトッ
__ピトッ
建物の中だと言うのに、人の手がつけられてないその場所は、まるで森の中のようだった
“お兄ちゃん、遊んで遊んで〜”
“それ僕の〜”
“ほらほら、そんなに騒がないの”
ゾロゾロと出てくる異形の呪霊
かつてそこに住んでた人達の呪いの吹き溜まり
10数体もいる呪霊が、Aに襲いかかる
Aは、呪霊をじろっと見つめては
攻撃があたるその直前まで立ち尽くす
もうかわせない
そんな時_____
__ブワァ
風が吹く
__バチッッッ
呪霊たちの中心でぐちゃぐちゃになっているはずの
Aはそこに居なかった。
代わりに呪霊同士がぶつかり合い、
その攻撃で全ての呪霊は祓われる
__ストンッ
優雅に降り立つ音
【時空間呪術:真空】
攻撃をじっくりと見破り、空間を断絶して移動
そうすることでAは労力を使わず呪霊を払うことができた
『……妙だな』
違和感があった
呪霊の気配はない。つまり、任務は終わったのに
帳があがらないのだ____。
新田のミスだろうか?
とにかく、帳の外に出れば
__バチン
『…ッ!!』
弾かれて電撃で痺れる掌
刹那_____
___ズズズズ
目の前に現れる1級呪霊三体
『…考えるのはあと…か』
_バチッ
___ズキュッ
『…っ、…はぁ!!!』
拳で脚で 呪霊を蹴散らす
先程、体力を消耗しなかったのが不幸中の幸い
__シュパッ
残さず祓いきればやっと帳はあがる
新田「お疲れ様です!」
『予定にない呪霊が出没した。1級相当の呪霊が五体』
新田「エエ!だ、大丈夫ッスか?」
『俺は問題ない…帳の上から二重に帳がかかってたんだろ。明日調査を頼む』
新田「…すみません…」
『いやいい、気にすんな』
___引っかかる何かにに気づかないフリをして
「…ま、Aには効かないか…」
袈裟を着た男が1人
楽しげに久遠をのせた車を見つめていた
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作者名:SEI | 作成日時:2022年3月18日 19時