育成失敗しました、めんご。

4-1：目は口ほどに物を言う ページ8

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『悟様ー！今日は待ちに待った親族同士の集まりの日ですよ！』

静かで薄暗い部屋に私の馬鹿デカイ声が響き渡る。




定期的に五条家で開かれる親族の集まりは私の嫌いな行事NO.1。

理由は簡単、親族に嫌われてるから。


親族の方達とエンカウントする度に嫌味言われてたら誰でも嫌になると思う。こればっかりは仕方がない。




憂鬱な気持ちを掻き消すようにスパーンと障子を開いて眩しい朝日で悟様を叩き起す。

日頃のイタズラの鬱憤ばらしも兼ねて。




「ん''……朝からうるさい。」


『うるさくて結構、さぁ起きた起きた。』


「おやすみ。」


『おやすみしちゃダメです。おはようございます。』

くぐもった声で布団を被って再び眠りにつく悟様。




長年一緒にいて分かったけど超がつくほど朝弱いよね。




「無理、朝ぐらいゆっくり寝かせろよ。」


『そんな日曜の朝のお父さんみたいなこと言わずに起きてください。』

ガバッと布団を剥ぎ取ったら凄い形相で睨まれたけどもう慣れた。何年その顔を見たと思ってんだ。




「あいつらウザイんだよ。」とブツブツ愚痴を言いながら起き上がる悟様の顔はいつも以上に死んでいる。

炎天下の中道路に打ち上げられて干からびた魚みたいな目してる。珍しい。




『正直私もあの人達の事嫌いなのでバックれます？』


「それ五条家に雇われてる使用人の言うセリフじゃねーって。」


『私は悟様の護衛兼世話係なのでね、悟様中心に私の世界は回ってるんです。』

だからあなたの判断に従いますよーって目線を合わせて笑いかける。




すると悟様は少し悩んだ末に「それするとお前消されるから行ってくる。」と言い渋々布団から出た。

人殺せるぐらい機嫌悪いのにちゃんと行くってよっぽどなんだな。




『次期当主も大変ですねぇ。』


「他人事かよ。」


『悟様が当主になったらお給料上げてください。約束ですよ。』


「考えとく。」





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