呪術廻戦4【短編集】

今世でも共に【両面宿儺】ミイミイー様リクエスト ページ17

「宿儺様」


宿「お前は俺のものだ」


「私はいつでも宿儺様のものでございます」


宿「俺から離れるな」


「はい」


宿「一生離れるでないぞ」


「承知いたしました」





…久しぶりにいい夢を見た。
戯れていたのは、昔、俺を一切恐れずにいた女。
この俺が唯一愛した人間の女だ。




宿「もう会えないと思っていたが、」




世というものは生まれ変わっていくものだということを忘れていた。
前世で愛した女は今世でまた、巡り会ったのだ。




「五条！マジでテメェぶっ殺すぞ！」


五「A、そんな汚い言葉使っちゃ、め！めだよ！」


「うっせぇんだよ！私のプリン食べた罪は重いぞ。バラしてやるから部屋来い」


五「ほんと落ち着こう、ね？」




今世での彼女は全く正反対の性格だが、俺にはわかる。
この小娘がアイツの生まれ変わりだと。





宿「A、その辺にしとけ」


「宿儺？ちょっと離してよ」


宿「嫌だ」


「ちょ、五条助けろ」


五「どうしよっかなー」


「…マジ殺す」


宿「お前は俺だけ見てれば良いのだ」


「なっ！」


宿「俺から離れないと約束したろ」


五「え、二人そういう関係だったの？マジ？」


「いつ？なんの話？！」


宿「前世で約束したのだ。忘れたか？」


「忘れたも何も前世の記憶なんて誰も持ってないから」


宿「つまらぬ」




人間というものは人生一回きりだとか言って、すぐ前世の記憶を忘れる変な生き物だ。





宿「では、もう一度俺を好きになれ。そしたら思い出すだろ」


「呪いの王を好きになれと？無理！」


宿「いいではないか。前世のAは俺に従順でそれはそれは可愛いものだったがな。お前の笑った顔を俺はとても好いていた」


「…恥ずかしいことを次から次へと」


五「宿儺、Aを手名付けるなんて難しいと思うよ？」


宿「確かにな。とんだじゃじゃ馬娘だからな」


五「俺ですら手に負えないんだよ？」


「五条はプリン食うからでしょ！返せ！吐き出せ！」


五「無茶苦茶か」




Aはこいつと仲が良いと小僧たちから聞いている。
あの二人はいつも一緒にいて、喧嘩するほど仲が良いんだよと。




宿「とりあえず俺の部屋に来い」


「なんのとりあえずよ」


宿「心の前に身体で思い出させてやる」


「ちょ、どういう意味！」


宿「そういう意味だ」


「え？は？」


宿「ゆっくり楽しもうではないか」









ー数時間後、二人は付き合うことになることを誰も知らない。

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