47話 ページ49
信じられない。
五条悟は絶望という名の不機嫌だった。
昨日アプローチ下手そうですよね、
とか笑顔で言われて、
腹が立ったのに加えて、
自分のことを語る時のセリフと
行動と態度が伴わない催馬楽にやきもきして、
こいつはどの程度
自分のことを意識しているのか。
と一緒に寝よう
などと
普通の人間なら真っ青のことを言ったのだが。
「すー……」
3分だった。
最初こそ何かもんもんと考えていたが、
気づいたら催馬楽は熟睡していた。
……僕は一睡も出来なかったのに。
不可抗力とはいえ
シャンプーの匂いも自分と同じ。
至近距離と表現するのが正確すぎる
シングルに2人という状況(自分で提案した)
結構寝ている間に夢を見るタイプなのか、
んーだのうーだの言っていたりして。
「めっちゃスッキリしました。
布団半分くださってありがとうございます」
そして五条はようやく悟った。
催馬楽Aは自分のことを
男としてみていないのではないだろうか。
催馬楽が自分に抱いている感情は、
好意の中でも敬愛や親愛で、
例えば悪いが戦国時代の家臣の感情のような。
自分が今まで両思いだと舞い上がってきたことは、
全部己の気の所為だったのでは。
己が高専1年の時にとっくに自覚した、
相手は異性だという意識が、
催馬楽にないという事実。
あーすっきり、
と完徹した自分の前で笑顔でほざくそいつに、
苛立つなという方がむちゃである。
五条にとってこの事実は、
今目の前にする神退治なんかやよりもずっと、
それはそれは重い事実としてのしかかっていた。
393人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ワイヤー女 - 新さん» ありがとうございます!!とても励みになります!これからも是非ともよろしくお願い致します! (2020年5月25日 16時) (レス) id: cedc192f36 (このIDを非表示/違反報告)
新(プロフ) - めっちゃ好きです!!全てが好きです!!更新頑張れぇぇぇぇぇ!!!!! (2020年5月25日 13時) (レス) id: e596ede8e2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:よく骨を折る田中 | 作成日時:2020年5月23日 18時