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18話 ページ20

「……げ」

五条さんから電話がかかってきたのは、
全部終わって私がベッドで微睡んでいた時だった。

寝ていることにして無視しよう。

そう考えたが直ぐにやめた。

五条悟は出るまでかけ続けるタイプだ。絶対。

「はい」

『もしもし?』

「催馬楽です」

『…出戻りのくせに有給なんて、
ちょっと贅沢だね』

どこが贅沢なもんか。
とはまぁ言えない訳で。

「はぁ、まぁ、
のんびりしてました今」

あんに寝るところだったんすけど、
と思いを込めていえば、

『今まで何してたの?』

と一言。

「……熱烈な歓迎を受けてました」

あまりに眠たくて頭が上手く働かない。
嘘なんて今ついたらボロが出る。

そう思って私は適当に誤魔化しておいた。

『………………』

電話の向こうの彼は沈黙して答えない。

「あのぉ、切っていいですか、
ねむいんですけど」

『ダメ』

「はぁ?
じゃあとっとと要件話してくださいよ」

『………………』

「さよな、らっ?」

ツキん、心臓が痛む。

『催馬楽?』

これが、恋??!
なんて甘酸っぱい痛みではない。

息がしずらい。
きゅうと絞られるような感覚。

「なんですか」

痛む胸を気付かないふりをして言葉を紡ぐ。

『今なんかあった?』

「??
なんにも。
どうかしました?」

平然を保て。
余裕だろ。

私は自分に死ぬ気で言い聞かせる。

「眠いんで、
五条さん、またあした」

『……おやすみ』

諦めたような、
僅かに優しさを孕んだ声が聞こえた瞬間、
私は終了ボタンをタップした。

「っ、はぁっ、?!」

ツキツキツキツキ。

一定のリズムを刻む胸の痛みに、
正直困惑を隠せない。

なんの病気だ。

…………治らなかったら病院行くか。

私は適当にそう放置したことを、
後で後悔することになる。

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ワイヤー女 - 新さん» ありがとうございます!!とても励みになります!これからも是非ともよろしくお願い致します! (2020年5月25日 16時) (レス) id: cedc192f36 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - めっちゃ好きです!!全てが好きです!!更新頑張れぇぇぇぇぇ!!!!! (2020年5月25日 13時) (レス) id: e596ede8e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:よく骨を折る田中 | 作成日時:2020年5月23日 18時

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