本物の怪物 【殺戮の天使】

episode22 ページ23

＿レイチェルside＿


目の前のお兄ちゃんに電流が流れ、私達三人は後ろへと倒れた。


しばらくすると、電流が止まった。目の前のお兄ちゃんはピクリとも動かない。



キャシー『＿＿あらやだ？ルシファー？』



しばらくの沈黙の後、お兄ちゃんは急に動き出し、深呼吸をした。



ルシ「＿＿へぇ、電気イスの電圧はこんなもんなのか」


キャシー『＿＿すごいわ！生きてる！生きてる！

モルモットで！化け物で！まるで理想の罪人だわ！』


ルシ「そりゃどうも。んで、この後は？どうせ終わらないんだろ？」


キャシー「そうね…

＿＿じゃあ、今からルシファーの電気イスをずぅっとビリビリさせちゃうから……その間に、レイチェル・ガードーナーがこの電気イスを解除すればいいわ！

あぁ、ザック達は手伝っちゃダメよ？早く終わっちゃったらつまらないもの

それで、うまくいけば、ここを通してあげてもいいわよ？」



解除し終わるまでにどれだけ時間がかかるか分からない。その間ずっと電流を流すとなると、さすがにお兄ちゃんでも死んでしまう。



レイ「……やめて。さすがに死ぬ」


キャシー『あらやだ、この子。ルシファーがどれほど、化け物で、しつこい罪人かを確認する……それが楽しいんじゃないの！

＿＿それに……罪人に決定権があるとでも思って？』



そのとき、劇などで使われている始まりのブザーが鳴り響く。



キャシー『＿＿はいはい！今から断罪が始まりまーす！

お集まりのみなさまぁ！憎き断罪人の苦痛に歪む姿を楽しんでくださいませぇ！』



大きな拍手の音が次に響き渡る。



ザック「おい！！レイ！！さっさとやれ！

＿＿んでもってなぁ！あのいかれサド女をぶっ殺す！！」



私はその言葉に頷く。



キャシー『罪人を憎む観衆の視線。その視線こそが、罪人の死の価値。ここでは、観衆の目が罰を下す

＿＿はい、スタート♪』

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