もっとあなたの「可愛い」が欲しいんです！ 【我妻善逸】

美少女2人からのお願い ページ18

「A！そこに座ってください！」


そして、私が目覚めてから数日後。

心配安堵お説教諸々が落ち着き、とりあえずは療養……となった折のこと。

今、目の前には仁王立ちのアオイちゃんがいた。

「また無茶をして散々しのぶ様に怒られた後だというのにその大荷物と怪しいほっかむりとはどういうつもりですか？」

『いやー、これは、その……』


静かな敬語が怖いよアオイちゃん。怖すぎるよ。


「まさかとは思いますが、どこかに出かけようなどと思ってはいませんよねぇ？」

『う、うぐ、いやいやいや！！そ、ソンナマサカ！！！』

「いけません！！これで５回目ですよ！？これ以上脱走を繰り返すようならしのぶ様に報告します！！」

『ひぃぃい！！後生だからそれだけはあぁぁぁぁあ！！』

「じゃあ大人しく布団に戻ってください！！あなたはあと2週間は安静です！！」


努力も虚しく、ひょい、と病室に連れ戻されてしまった。


『くっ、今度はお面をかぶるか……』

「A」

『うぉあっ、カナヲちゃん！？』


壁を睨んで拳を握っていると、いつの間にか横にいたカナヲちゃんに話しかけられた。……珍しい。


『ど、どうかした？』

「A、どこに行くつもり？」

『………………あー………………』


問いかけられて言葉に詰まる。何と説明したら良いのやら、あそこは……


『んー…………雲の中、というか…………』

「……？まぁ、どこでもいいのだけど。でも、今は駄目」

『……カナヲちゃん』


声色が沈んでいるのは、未だに目覚めていない炭治郎と伊之助のことがあるからだろう。2人の怪我は特に酷かったから。私のなんかより、ずっとずっと。


『……うん。わかった、行かないよ。少なくとも、しのぶさんから許可が出るまではいかない。ありがとう、カナヲちゃん』

「ううん。いいの」

『……はぁー、天使……』

「気持ち悪い」

『上げて落とすね！？！？』

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