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『…痛っ!』


「ばーか、女の癖に可哀想なやつ。俺らを追うのはやめとけ。」




呪霊の攻撃は防いだが、その後に男が呪具で切りかかってきた。

呪具が結界術に特化しているのか防ぐことができなかった。




「どのみち殺すし今死ねよ、」




そのまま倒れ込む私を蹴る。

自分の足場が崩れるかのように術式が解けて落下した。









目が覚めて、見慣れた景色に、自分は高専へ帰ってきたことがわかった。


切られた腹部がズキズキと痛む。



ベッドから起き上がって、カーテンを開けても誰もいなかった。




そのまま痛む腹部を押さえて職員室へ向かおうと歩いた。




『…なんで、』




歩き始めてすぐに傷口から血が流れる。

もしかして反転術式使えなくなった?全然治らないし、と思いながらも職員室へ向かった。




「…ちょっと何してんですか!」


『あ、ちょうど良かった。助けてくれない?』




偶然通りかかった恵くんに助けを求める。




「医務室戻りますよ。」


『誰もいなかったから職員室行きたくて、』


「無理に決まってるじゃないですか。俺が呼んでくるんで寝ててください。」




そう言うと恵くんは私を横抱きにして医務室へと向かった。




『…恵くんいい子過ぎる。』


「怪我人は黙ってください。落としますよ。」


『それはマジでやめて、』




医務室に帰ってきて、ゆっくりベッドに寝かされた。彼の制服が私の血で汚れたことを謝ったけど、何も言わずに出て行った。



しばらくして恵くんと硝子が来た。




「ほんと世話が焼けるね。」


『…ごめん。』


「反転術式が通用しないんだ。
…傷口は縫合したから大丈夫だと思うよ。そんなに深くなかったし。」


『…そっか、ありがとう硝子。』


「五条先生にも連絡したんですけど繋がらなくて。
……俺、授業あるんで行きますね。」


『恵くん、ありがとうね。』




硝子から詳細を聞いた。

田中さんは呪詛師側の人間で、偽名だった。
でもすぐに見つかった。尋問では

「Aさんを殺せばお金がもらえるって言われた。でも殺せなかった。」

と言っていたらしい。


あの日一緒にいた男と楽して過ごすために、わざと等級違いの任務に当てて、私を始末したかったみたい。


墓地にあった呪物については本当に何も知らなくて、売ればお金になるから持ち帰ったそう。





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くまこ(プロフ) - riyaさん» ありがとうございます(;o;)先程番外編公開しました! (2021年8月21日 9時) (レス) id: aae8dbd6e7 (このIDを非表示/違反報告)
riya(プロフ) - 良かったです。番外編楽しみに待ってます。素敵な物語を読めて感謝 (2021年8月21日 9時) (レス) id: 0599723b2d (このIDを非表示/違反報告)
くまこ(プロフ) - あーちゃんさん» ありがとうございます! (2021年8月18日 0時) (レス) id: 45252353b5 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん - 次も、楽しみにしてます (2021年8月17日 12時) (レス) id: 104e5b7174 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くまこ | 作成日時:2021年8月10日 20時

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