《第二話》 ページ3
「A、今日の予定は？」
『あと２時間で入学式と寮分けですね。 その後はトラブルに見舞われる予定です』
「なんで見舞われる前提なんですか……」
歩きながら、今日の予定を確認する。
ハキハキと自信を持って破茶滅茶な予定を述べるAにため息をつくクロウリー。
この秘書、有能ではあるのだがユーモアが過ぎているところがたまに……いや、結構キズ。
『学園長、逆にトラブルのない年なんてありました？』
「………。」
沈黙は長い間続いた。この間にどれだけの記憶を辿ったのだろうか。
「無い、ですねぇ……」
悔しそうな顔を浮かべ苦々しく答えるクロウリー。
だが、仕方ない。ここはナイトレイブンカレッジ。問題児の集まりやすい名門校だ。
『でしょう？そしてトラブル対応をした後、オクタヴィネル現寮長との交渉です』
「オクタヴィネル……寮長……。 っあー！まさか去年に引き続き“商売”に関してですか！？」
『はい。そのまさかです』
昨年度、現寮長であるアズール・アーシェングロットはある商売をした。
テストの対策ノートの配布である。
このノートは事前に出題用紙や解答を盗み見るなどの不正行為で作られたものではなく、ナイトレイブンカレッジ過去百年分のテスト出題傾向を徹底的に調べ上げ、自力で練り上げた“虎の巻”であった。
そのノートを得る代償として、契約者が５０位からあぶれるとその人の能力を奪うというものだった。
結果、かなりの生徒の魔法がしょぼくなる事態となった。
「あぁ、どうしましょう！ このままでは名門校なのに弱い魔法しか使えない生徒ばかりになってしまいます！」
『契約者の自己責任ですし、個人的にはさっさと退学してほしいのですが』
「私は貴方とは違うんです！ ……私、優しいので！！」
『そうですか』
淡々とシステムのように答えるAにクロウリーは苦言を呈する。
「もう少し主人に興味、それと敬意を持っても良いんじゃないでしょうか？？」
『なんですかそれ。興味深く、敬意の払える主人になって出直してきてください』
「……。」
言い返す言葉がなかった。
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好好爺(プロフ) - 星詠みさん» コメントありがとうございます！！早速更新させていただきました！気づいたら亀更新してしまう作者なので度々教えてくれると助かります……！ (9月28日 23時) (
レス) id: eeb0faecb7 (このIDを非表示/違反報告)
星詠み(プロフ) - 続きいつでも待ってます‼︎ (9月28日 22時) (レス) @page17 id: 674129e800 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：好好爺 | 作成日時：2023年9月19日 14時
