【大幅修正入ります】最強鉄拳をお望みですか？【ONEPIECE】 (ページ2)

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その日は唐突にやってきた。

とある女はつい今朝、娼館の女とワンナイトをぶちかましたベッドの上で「体は大丈夫か？」と何の気無しに問いかけた女性から「ハァ？何一回寝たからって恋人気取りしてんの？キモ」と朝っぱらからハデスの宣告の如く言い放たれたことに死ぬほど胸を痛めて、自分の元従業員の現在海軍少尉の青年に面倒な女ムーブを繰り返していた。

「心配しただけじゃねぇかよぉ…。キモって…。キモいって…。そんなに言うことないだろぉ…」

「ギャルの子だったんだろ。多分」

「黒髪だったさ。重めの前髪だったし、病んじゃった〜とかすぐ言うタイプだと思うぞ」

「とんでもねぇ風評被害だな。全世界の女の子に謝れ」

「私も女だが」

「よく言うぜ、男も女も持ちかけりゃ全部美味しくいただく脳内下半身が」

「あまりにもひどい」

女の名は＿＿＿また今度の話に。

この武器屋兼食事処の店長を務める齢24の女店長が、長い健康的なオリーブ色の髪を揺らす様子には到底この女の生活を想像させる余地はない。しかしそれは青天の霹靂の前兆に過ぎず、整った容姿からはかけ離れた、雑然な男口調と過激な下事情、そして世界随一の技量。小さな武器屋には仕舞い込んでおけないほどの情報量がここには存在していた。その創造主は女であるということすら、屋外の人間には分かりかねることだろう。

ストレートの薄茶色の長い髪、アーモンド型の黒い双眸に通った鼻筋、頭に巻いたエスニック柄のスカーフ、横に大きくスリットの入った緑のロングスカート。スリット部分はうまく二重に加工されて肌が見えることはない。上半身に身につける肌にぴったりと吸い付く綿のシャツの胸元には一つのアイオライトのペンダントが輝いている。
カウンターに横並びに座る元部下の胸ぐらを掴みながら女は会話をヒートアップさせ、ぐわんぐわんと青年を揺する。

「私は黒髪の女に嫌われる才能でもあるのか！？」

「黒髪だけと言わず全世界の女に嫌われりゃいいのに」

「…ああ、お前の狙ってた子でもいたか？」

「お前の3人前の元カノだよ！！！隣町の由緒正しい商家のお嬢さん！！」

「ああその子なら半日で終わったぞ。何もしてない」

「半日ってなんだよお前！！」

今度は大人しそうなストライプのシャツを身に着けた青年がカウンターに突っ伏す番だった。ここは地獄か。