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予期していた痛みは 一向に来なかった。
A「………
新手の焦らしプレイですか?」
目を開ける。
三ツ谷「オマエ…なにしてんだ?」
目を閉じた。
まって 今居たの三ツ谷?
東卍弍番隊隊長三ツ谷隆?
三ツ谷「ルナマナがアイスくれた
ふつう顔のおねえちゃんが
悪の敵を倒しにいった!
っていうから来てみれば……ホラ、行くぞ」
A「右アッパー喰らいながら
鼻にスイーツぶっ込まれた気分」
手を引かれる感覚で 再び目を見開いた。
視界の端転がる大男に 全てを理解する。
わたしの手を引く彼の背中は、
ああ これがヒーローなのだ と
ルナ「おねえちゃん!ありがとう!」
マナ「よかった!ありがとう!」
ぎゅーーーっ 抱きつく2人に頬が緩む。
だれかのために涙を流せる君たちのほうが
よっぽどすごいんだけどな。
三ツ谷「おれからも礼を言う
ありがとうな、妹たちのために」
A「大したことはしてねーよ
結局三ツ谷が全部倒してくれたろ ありがと
もう日が暮れる 早く帰れよ」
そっと2人の頭を撫で 軽く三ツ谷の方へ押す。
三ツ谷「もし良ければ
ウチで飯食ってかねーか?」
輝く天使の瞳。
選択肢は 一つだった。
〜
お風呂にもちゃっかり天使と同席し、
2人を寝かしつけた頃には
時計の針は10時を指していた。
リビングに降りれば、風呂上がりの三ツ谷。
三ツ谷「今日母親いなくてさ
2人とも寂しそうだったから 助かった
ありがとな!」
寝室の棚にあった写真を思い出す。
写っているのは4人。
父親は いなかった。
A「…また 遊びに来てもいい?
今度は手土産ももってくるから さ」
三ツ谷「ああ むしろ来てくれよ
ルナマナが喜ぶ」
三ツ谷の顔は 全てを受け入れたカオだった。
自分の生まれた環境を 運命さえも受け入れて、
それでも前に進もうとする。
それが今は
どうしようもなく 苦しい。
A「じゃ、わたしもう帰るワ」
三ツ谷「!送「らなくていいよ 妹ちゃん心配ダロ」
…わかった でも家着いたらメールしてくれ
心配だからさ」
A「気が向いたらネ」
三ツ谷「へいへい」
小さくなる彼女の背中は 儚くて。
今にも 闇に連れ去られてしまいそうな、
どこか
泣いているような そんな気がした。
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