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何百年が経ち、日ノ本はそれは大きく変わっていた。


土はアスファルトへ、馬は車へ、家屋はコンクリートのものも増えた。


竜は化石が残るのみになり、姿を消した。


変わらないのはかつて婆娑羅と呼ばれていた力だ。


微弱ながら持つか持たない者がほとんどの中、ごく一部の者が強力な力を有した。


遥か昔の戦国時代より続く直系たち。“以前”の記憶を持つ者がほとんどだ。


敵同士だった彼らは武器の代わりに教鞭を取りペンを取り。鞄を持って校門をくぐる。


未だライバルであったり友になったりと関係は様々、敵国だった相手と結ばれた者も多い。


そんな折、婆娑羅学園と呼ばれる生徒たちはある美術館に来ていた。


大きなショーウインドウに展示されている、古い裁縫道具と竜の描かれたそれはそれは美しい打掛。


国宝にまでなったそれに誰もが見惚れた。


稀代の仕立人、薄命の呉服屋。


[作者・錦羽根 霸桜]

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作者名:クヴァール&くろのちか x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年7月1日 20時

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