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「ふふ、どうかな、似合うかい?」
「きゅう」
試しに打掛を羽織った唯桜に紫毒姫は似合うよ、と言うように頷く。
猛々しさと華々しさを兼ね備えた打掛はまさに1級品。今後このような打掛は二度と現れないだろう。
本陣で纏い、先陣を切る際は大切に桐箱に仕舞わなくては。傷つけたくない。
「そうだ 呉服屋殿に文を書かなくては
紫毒姫、当たったらダメだよ」
「きゅー」
打掛を元に戻し、文机に向かって筆を滑らせる。
楽しげに鼻唄を漏らす唯桜は知らない。文の返事はないことを。
大阪にて急に状態が悪化した霸桜がとっくに息を引き取っていることを。
贈られた打掛が彼の一世一代の最高傑作であることを。
「……よし、飛脚に頼まないとね」
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作者名:クヴァール&くろのちか x他1人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2018年7月1日 20時