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お客様用の駐車場に車を止めた。
『時間ある?休憩していく?』
「そーするわ」
2人でエレベーターに乗って部屋に入る
見慣れた部屋、ソファーに横になるとふわっとかけられる
「ありがと」
『ん。何時に起きる?』
「4時かな。寝とけよ。仕事だろ」
『おやすみ』
パチンとリビングの電気が消されてすぐ
意識を失うように眠りについた
『・・くん、・・りくん、樹くん!樹!起きろ!』
「んー」
Aの声で目が覚める。
「なんじ?」
『4時前だよ』
ぐっと力を入れて体を起こすと
Aと距離が近い。
「お前寝た?」
『まだ』
「寝ろっていったじゃん」
『2人とも起きれなかったら仕事やばいでしょ』
「お前仕事だろ。寝る時間ねーじゃん。はやくねろ」
『樹君もでしょ』
「男と女じゃ、身体の組織が違うんだから体力もちげーだろ」
『んー』
「ただでさえ大変な仕事なんだからちゃんと寝ろ」
『ありがとう、今日夜勤入りだからたくさん寝るね』
夜勤かい
オールで仕事行く気か?ってちょっと心配したんだけど
「ちゃんと寝ろよ。あっ。5分で泊り用荷物まとめて」
『なんで』
「俺の家おいとく。時間ないからはやくしろ」
ごそごそ荷物を入れはじめて渡されたのは
少し大きめのトートバック
『絶対中見ないで』
「ふっ」
『ばかにしてる』
「じゃーいくわ」
『運転しながら寝ないように。気を付けてね』
「ん、じゃ」
さみしそうな名残惜しそうな顔をして俺を見送る
君の顔をみて少し安心する。
少しずつ彼女の中にいる俺が大きくなっている気がする…
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作者名:唯音 | 作成日時:2023年2月24日 22時