星輝きて ページ3
星の輝きが満ちて溶ける。
光が飽和し海になる、輝ける物を集めた海に。
それが徐々に染まり行く、輝き失う黒き色に。
*
迷ったりなんだりした上で最終的に買った服は薄い水色に抽象的な向日葵が描かれた服だった。
シンプルだが自分が好きなものが詰まっていると思い選んだ。
「良いんじゃないかな、気に入ったのなら買ってしまおう。」
染井さんのこの言葉が決め手になり買った。
ホクホク顔で店から出て歩き始める。
幸福と不幸は紙一重であり、どちらかが先に来たらもう片方がゆっくり歩みを紡ぎ始める。
*
あぁ、なんて可愛いのだろうか。
太陽に向かって花を動かす向日葵の様で愛らしい。
食べてしまっても構わないだろうか、自分のものだと周りに知らせる為に跡を付けてしまおうか。
理性が軋みをあげ始める、愛らしい生き物を本能的に喰べてしまおうと。
胸の前で袋を抱えているのだ、先程買った服の紙袋を。
可愛らしいし愛らしい、何度でも言おう。
一口、たった一口で良い。喰べさせてほしい、口を付けさせてほしい。
吸血鬼の様に血を吸わせて欲しい。
人魚の様にきめ細かく艶やかな身体を喰べさせて欲しい。
待てなんてされても、何時迄も、何時迄も待てない。
喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい喰べたい
無意識のうちに口から涎が垂れていた、本能が抑えれない。
「染井さん…?もしかしてお腹が空いちゃいましたか?ご、ごめんなさい…」
何故、何故、謝るんだ。謝らなくて良い。
「大丈夫、ちょっと眠くてね。でも、そろそろお昼時か。何が食べたい?」
未だ今はその時じゃない、抑えよう、抑えつけよう。
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