お前らに愛なんてある訳ねぇだろ さん 【ブルーロック】

133 君となら ページ40

「上手くなったね、吉良」
「Aのおかげだよ」




「勝てると思う？」
「勿論、俺達は強いんだ。紛れも無く」
あきらかに逞しくなった彼の身体はもう休ませてくれと懇願しているように見えた









「……お前にとっては長かったな」
「そうだね、こんななるなんて来た時は思ってなかった」



「サッカーがまた好きになるって思ってここに来た、最初はアイツらの瞳を見てサッカーってやっぱいいなって思ったの」
「その気持ちさえ消えたのは、紛れも無くサッカーが好きなアイツらのせいだった」






「人間ってずっとは怒れないんだよね、どっかでどーでもよくなるんよ。」





朝、起きるとどうでもよくなった
そして目の前にあった睡眠薬と大量の薬、それを見て赦(ゆる)しちゃいけないんだって思った
だって赦したら彼らの行為が肯定されてしまうから、あの時私が抱いた感情が否定されてしまうから







「私、謝った。七星君とか蟻生さんとか雪宮さんに」
「これから更に酷い目に合うかもしれないから、そしたらね




ごめんって言われたの」


「この人達は何も悪くないのにごめんって、そんな感情を抱くのは私がいるからで、だからとにかく早くここから出ようって思ったの」




「でももう私感情がぐちゃぐちゃ、もっと苦しめてやりたいし早く他の人達を楽にもしたい。」




「でもこれは私だけの話じゃないから、みんなが居てくれたおかげでやってる事。」











「吉良、ありがとね」


吉良の口が開いたままだった






「……、死のうと思った」
吉良の口からそのワードは、不穏なものなものではあるけど彼自体がそのような空気を纏(まと)ってるわけではない。だからこれは過去の話ということになるのだ

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