お前らに愛なんてある訳ねぇだろ さん 【ブルーロック】

117 縛られた思い出 過去編2 ページ23

みんながすぐ出来るものを私は5倍の時間をかけてやる、それが定型なのだ
その事を小さい頃に知っていてよかったと思った、だから小学校に入っても休み時間もサッカー、帰った後もサッカー、全部全部サッカーにつぎ込んだ




「かけ算出来てないのAちゃんだけだよ」
若い担任に真顔で言われた時は普通に焦った、だって私はずっと頑張ってないとすぐ追い越されるから。だけど親を悲しませたくないから勉強も頑張った




練習しながらの勉強だけど(笑)





「へぇ〜、Aちゃん頑張ってるんだね。将来は何になりたいの？」
時々近所のおばさん達がそう聞いてきた時があった、その時はそれが罠だとは気付かずに純粋に答えていた







「サッカー選手！！」
と、そして何秒か沈黙の間を置きおばさん達は褒めてくれた
今考えれば自分達の望んでる答えじゃなかったからだと分かる、よくその話をネタに母親と私の陰口を言っていたらしい







【女が玉蹴りなんかしてはいけない】








そんな常識が、女は家の中で働くいう決まりが、女はお淑やかに生きなきゃ行けないっていう風潮があの町には蔓延っていた
あの町は所謂田舎というとこで、男尊女卑は当たり前、長男や第一子を敬うという文化がまだ残っていた




だけどそんなこと考えたことがなかったその時の私は、頑張ったおかげで学校一の運動神経が良いと言われるようになった
50m走は小4で7秒台だし毎日5kmはランニングしていた、私がチームに入ると必ず勝つから毎回遊びには呼ばれていた






あの頃の私はまだ疑っていなかった、自分が世界一になれることに











「あっ……」
あの日だ、私の人生を変えたのは

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