風味絶佳 (ページ11)

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「ソラ、放課後この新作飲みに行かない？ソラの家の方面だし、めっちゃ美味しそうなの〜」

ジヨンの携帯に映るホイップののったドリンクの写真を見て、勿論！と食い気味でオッケーする。

「あ、そうだ！今日バスケ部休みだしウォヌとスニョンも誘おうよ。」

「いいけど……私がいて大丈夫？」

「ソラがいるからじゃん。スニョンともっと仲良くなってほしいの！」

スニョンくんが好きだ、と明言したことなんて一度もないのにバレてしまっているあたり、さすが親友、と言ったところだ。

「2人とも大丈夫だって。放課後下駄箱で待ち合わせって言っとく〜」

「分かった、ありがとう〜」

終礼が終わると、2人してお手洗いでマッハの化粧直し。もちろんあくまでナチュラルメイクなんだけど、そりゃあねぇ？好きな人には可愛いって思ってもらいたいし。いつもは塗らないラメも少しだけ足してみたりなんかして、駆け足で下駄箱へ向かう。

「お！おつかれ〜」

壁に寄りかかる2人が私たちに気づいて目を細める。

「遅かったから、補習にでもなったのかと思った。」

低い声で笑いながら話すウォヌくんに、ジヨンがもう！と頬を膨らませながら歩く。

「ソラちゃん、」

不意に呼ばれた自分の名前に振り向くと、クォンくんがじーっとこっちを見ている。
だんだん近づいてくるクォンくんを不思議に思い、その綺麗な顔に見惚れていると、

「目、なんかキラキラしててすげーかわいい」

なんて真正面で言ってくるもんだから、平常心を保つのに必死で、きっと私は耳まで真っ赤だろう。

「2人とも〜早くいくよ〜」

ジヨンの声を皮切りに、早歩きで2人の元へ向かう。

「そういえばさ、ソラちゃんはなんで韓国に来たの？言いづらかったらいいんだけど、」

「お母さんの転勤についてきたの〜まさか日本以外だとは思わなかったんだけど」

「じゃあ韓国にはなんの縁もなかったの？」

ウォヌくんの言葉に頷くと、大変だったね、とジヨンが頭を撫でてくれた。

お、俺も〜なんて言ってクォンくんが私の頭を優しく触るもんだから、ニヤニヤしたジヨンの目線が気になって仕方ない。