始まりのトイフェル

「４７」 ページ48

あの後すぐに、部下から聞いた話
今夜、始祖会が開かれるらしい
内容はもちろん知らされていなかった
別に不満はない、普段は参加しない
でも、今回は楽しめそうだと思ったよ
色素の薄い世界に彩りをってね

"まぁ、当初の始祖会なんて小規模で
四人しか上位始祖がいなかったわけ
それなのに、私を消す計画を練ってた"

主「やぁ、クルルちゃ〜ん」

ク「第一位始祖……」

私を除く他の三人は驚いていた
その中で最も面白い反応をしたのは
昼間に会ったばかりの第一位始祖だ
来ると思っていなかったんだろうね

主「私を消す話だよね？どうぞご勝手に
安心してよ、すぐに消えるから」

一「では、何をしに来た？」

主「宣戦布告」

三人の体が固まるのが分かった
急に宣戦布告と言われればそうもなる
人間が戦争などの大規模争いをする時
攻撃しますと言う宣言をするらしい
それがこの、宣戦布告なのだろう

"あの時の私は今以上に傲慢だった
自分より強い者がいるはずがないと
自信に浸っていた"

主「君らが私を消そうとするのは構わない
でも、簡単には殺されてやらないよ？
余生を謳歌したいからねぇ」

余生がどれほどあるのかは知らない
でも、私は永遠の命だと信じている
吸血鬼は永遠の命を持った不老の存在
どんな生物よりも優秀な存在だと

その優秀な存在の中でも私は特に
完璧で、選ばれた存在なのだと信じた
全てを握り潰せる力を持った存在だと
自由気ままに舞う存在だと

主「私は舞うさ、どれほど罵られようと
悪意を振り撒いて舞い続けてみるよ」

良くも悪くもない気分でその場を去る
本当、普通の気分だった

例え命を狙われようとも舞い続けよう
余裕と悪意を振り撒いて舞い続けよう
降りかかる火の粉を消し舞い続けよう
楽しい娯楽を堪能しつつ舞い続けよう
何があろうと優雅に振る舞い続けよう

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