壱:夕暮れの君と僕 ページ2
「夕暮れ綺麗だね。」
と彼女は、街の方を見ながら微笑んだ。
俺も街の方を見る。いつもとは違う夕日に照らされた街は彼女が言う通りとても綺麗だった。
「そうだな」
と少し棒読みに返す。
「もーう！零夜ったら感情こもってないわねー‼もう少し感情込めなさいよ‼」
と顔を少し膨らませながら君は言った。
「別に感情なんてこめなくていいだろう。お前と違ってロマンチストじゃないんでね」
もう零夜なんて知らない！と彼女はそっぽを向いた。しばらく沈黙が続く。俺もこう言う時には話しかけない。俺から話さなくても沈黙に耐えれなくなった彼女がいつも結局話を切り出すからだ。
「何で話しかけないのよ！」
「お前本当に面白いな。自分から怒ったくせに自分から話しかけるとか」
「うるさい！」と彼女は真っ赤な顔になりながら睨んだ。
そしてまた沈黙が続く。遠くでカラスの鳴き声が聞こえる。そして彼女は再び町の方を見た。
「ねぇ零夜」
「何だ？」と彼女を見ながら言う。彼女は俺を見ずに街の方を向いている。
「私が明日死んだらどうする？」
その言葉に固まる。一瞬息を忘れていた。
「はっ？お前何言って＿＿＿」
「はははは‼嘘だよーだ！私が死ぬはずないじゃん」
と彼女は笑った。でも彼女の声はどこか悲しげだった。もしかして俺にこいつは何かを隠している？
カラスが鳴いている。夕日が俺たちを照らす。
「零夜」
何でまたそんな悲しそうな声で俺を呼ぶんだ。
「私はずっと君のこと好きだよ。」
悲しそうに彼女は言う。
結局俺は彼女がいった言葉には答えられなかった。
それが一番後悔することも知らずに。
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らるみ - のゆりさん» コメントありがとうございます。そう言って頂き嬉しいです。追加もありがとうございます。 (2018年2月24日 5時) (
レス) id: db8d08148f (このIDを非表示/違反報告)
のゆり(プロフ) - 続きが気になりますー！追加しました。 (2018年2月16日 23時) (レス) id: b3b81574c1 (このIDを非表示/違反報告)
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