織田作の弟は元水柱だそうです

陸 ページ8

ガタガタ！という大きな物音で目が覚めた。


どうしたのだろうとゆっくり瞼を開ける。


一応起きたがまだ頭がぼんやりする。


ぼんやりした頭で昨日は楽しかったなとふと考える。

俺は四人で他愛もない話をして過ごすあの時間が一番好きだった。


あの場だけは皆立場を忘れてのんびり過ごせる。









『写真撮ろうよ』









(そういえば昨日写真撮ったな…)



思えば、思い出を残すために写真を撮ったのはあれが初めてだ。



のそりと布団から起き上がり、鞄から数枚の写真を取り出す。


しばらくポヤポヤと眺めていた。





『"今撮っておかないと、我々がこうやって集まったという事実を残すものが何もなくなるような気がしたんだよ。なんとなくね"』








そういえば太宰さんがこんなことを言っていた。



あれはどういう意味だろうと内心首を傾げながらリビングにむかう。







「……兄さん？」




いつもはいるはずの兄さんがいなかった。




周りをよく見てみると慌てて外に出て行ったような痕跡が確認できた。



さっきの物音はそういうことか。



机を見てみると紙切れが一枚置いてあった。



【首領に呼び出された。先に出ている。】

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