第17訓 6月は湿気と熱気で一番苦しい ページ40
土「あちぃ....」
6月であろうと真選組隊士はあの制服、しかも黒の制服を着なければならない。
土「ったく....」
ポケットのタバコに手を伸ばす。
見回りつっても特に事件が起きている訳でもないし。
まぁ起きない方がいいんだけど。
『あ!土方さん!』
土「ん?おーAさんじゃねぇか。しっかし今日も蒸し暑いな...」
『そうですね〜...見回りですか?土方さん、特に暑そうです笑』
土「あぁ、まぁな。仕方ないとはいえやっぱ暑ぃぜ。...Aさん、そんな大きな荷物一体どうしたんだよ。」
『見回りお疲れ様です!実は...すいか!買っちゃったんです〜!』
土「お!もうそんな季節か...丸々一個久しぶりに見たな。ってか重いだろ。家まで運んでやるよ。」
『え?!あ、いや....そ、そう!土方さんお仕事中ですし、大丈夫ですよ』
土「まぁ、でもよ、特に何かある訳じゃないし、たまにはいいかな〜って。あ、家行ったらまずかったか?」
『あ〜、えっとまぁ...』
土「じゃあ家に運ぶまでだな。家にはあがらねぇから安心しろ。ほら」
『え?!えっと...ありがとうございます』
思わぬ人に会ったな。やっぱりすいか丸々一個を女の子1人に持たせる訳には行かねぇし。
家にあがるのは嫌か....まぁ知り合ったばかりだしな、いやもしや誰かいるとか?すいか丸々一個を一人で食べる訳ないよな...
上京したてから知ってるせいか、女の子の成長を見てる感じで嬉しいような、悲しいような。娘に彼氏が出来たような感覚だ。
土「もうすぐ夏本番だな...Aさんは何か予定あるのか?」
『特に決めてませんが...やっぱり夏らしいことしたいですね!みんなで花火大会に行ったり、海に行ったり』
土「確かにそうだな。万事屋のあいつらもいるだろうしよ。」
『土方さんは?』
土「休みがあるとはいえやっぱ仕事が増えるな。夏祭りとか、はめ外しやすい時期だしよ。」
『大変ですね笑あ、つきました!ほんとにありがとうございました!仕事中だったのに....』
土「まぁ人を助けるのも仕事だしな。気にすんな。俺は久しぶりにAさんと話せて嬉しかったしよ」
『....少しお時間頂けます?』
土「構わねぇけど、どうした?」
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作者名:いるかさん。 | 作成日時:2023年1月4日 2時