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『それに気づいた私は彼を物陰に隠しました。
ただ、首も胸もやられてて、流血が止まらなかった。
私は必死に手当しようとしたんです。すると彼が、
夫「笑って....ほら、笑って...俺はAと笑えれたらなら十分だ。そして....ここからうんと遠くへ逃げて。」
「あなた、そんなの嫌よ、諦めないでよ!私あなたがいなくなったら...」
夫「じゃあ...これを持っていってよ。これしか...ないけど、これなら忘れないだろう」
そう言って差し出したのは以前写真屋さんに桜の木の下で撮って貰ったとても笑顔の私たちの写真でした。
夫「この写真のよう...に笑って。それができ...れば悔いは、ない。幸せだから」
って笑顔で言ったんです。なので、私はもう覚悟を決めました。そしてこの写真のように顔を寄せて2人で笑顔になって。
そしてもう話せないだろうに、最後の力を振り絞って、
夫「ありがとう、じゃあ...俺の合図で裏から...出るんだ。さん、にー、いち!」
「ありがとうね!」
繋いでいた手を離し、彼の温もりを残して走ってきた
...という訳です』
桂「....Aざぁぁん!」
エ“涙が止まらない”
『わっ!』
桂「よく頑張ったなぁぁ、よくここまで...!!」
エ“よしよし”
『もう、過去のお話ですから。どうして2人とも私より泣くんですか笑』
桂「辛さは本人しか分からないものだが、やはり悲しい。こんな思いをさせた天人を許せん!」
『私もです。ただ、私が許せないのは夫を斬った天人です。もう戦死したらしいですが。』
桂「なぜそんなAさんは明るくいられるんだ?俺は....」
『だって私、彼と笑顔で別れたんですから!』
桂「....そうか。そうだな。本人が明るくいるなら我々は口出しする必要は無い。俺もAさんの笑顔が大好きだ。」
エ“同じく”
『ふふふっ笑あの人のおかげですね。....桂さん、エリザベスさんはどこにも行かないでくださいね。』
桂「もちろんだ!」
エ“ずっとそばにいるぞ!”
第13訓 喧嘩するほど仲がいい→←第12訓 笑顔と涙は紙一重
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作者名:いるかさん。 | 作成日時:2023年1月4日 2時