猟犬の妹は命を救う仕事をしている。 弐 【文スト】

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某神社の境内にて。

宇「はぁ、はぁ、はぁ、、、
くっそ、何なんだこの鬼は！？」

宇髄は、両手に大振りの刀を握り、砂利に膝をついていた。

音柱の宇髄でさえ苦戦する相手。

そう、『狐の鬼』だ。

宇髄は、現時点で分かっている情報を脳内で反芻する。

この神社は昼間でも木陰に包まれているから鬼が住める。

鬼にしては小柄で華奢だが、その分身軽に動き回る。

狐のような耳と尾を持ち、頬には矢絣の柄の痣が浮き出ている。

やっと斬れたと思っても、すぐに再生する。

下手すると、この再生速度は上弦にさえ匹敵するだろう。

そして何より厄介なのが、詳細不明の血鬼術を使う点だ。

鬼「どうした、僕を狩りに来たんじゃなかったのか」

僕？

女だと思ったが、男だったのだろうか。

宇髄は思わず首を傾げるが、今は性別などはどうでも良い。

鬼「膝をついている暇があるのか。
余裕だな、鬼狩り」

余裕綽々の態度にイラっとくる。

余裕なのはお前だろ、と思わず言い返しそうになったその時。

鬼「、、、妙な気配がするな。
人間が3匹と、何だこれは？」

人間って、まさか、

江「てんげーーーーーーーん！！！！」

宇「おいおいマジか、、、
派手に勘弁してくれよ、、、」

青白いデカい化け物の手に乗って、江戸川と泉が現れた。

江戸川なんて、にっこにこで手を振っている。

いや現れるなよ。

何しに来たんだよ。

てかその化け物は何だ？

見た感じ鬼ではなさそうだが、それはそれで謎が残るから嫌だ。

もう謎が謎を呼んでしまって、収拾がつかなくなっている。

鬼「あともう1匹は何処にいった？
近くにいるのは分かっている。
若い男の匂いがするからな」

鬼の言葉に我に返る。

そう、まだ他に人の気配がある。

だが一体何処に？

鬼殺隊として人を守らねばならない宇髄は、集中して辺りを見渡す。

その時、視界を白い何かが掠めた。

宇「は、雪？」

そんな時期でもないだろ、と途方に暮れる宇髄と鬼。

だが乱歩と鏡花にとっては朗報だ。

すぐ近くに人が隠れていて、季節外れの雪が降っている。

そうと来たら、隠れている人物は1人しかいない。

異能力『細雪』を持つ谷崎。

谷崎がこの世界に来た経緯は2人には分からないが、そんなのは後回しで良い。

今はただ、力強い味方が増えたことに感謝だ。

雪が降る範囲が広がり、乱歩と鏡花の姿も掻き消される。

ようやく合流。

そこには、必死な表情の谷崎がいた。

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