猟犬の妹は命を救う仕事をしている。 弐 【文スト】

71 ページ32

※絵の中と外とでは、時間の流れがズレています

明確な法則性はありません

瑛藍の気分で変わるみたいです



［江戸川 乱歩 × 泉 鏡花］

ひとまず宇髄の家に来た乱歩と鏡花。

乱歩と鏡花は絵の世界から出る条件をまだ知らないため、そうのんびりはしていられないのだが。

雛「追加で2人分、布団を敷いて来ますね」

ま「ほらお嬢ちゃん、肩出して」

須「うわあっ痛そう！」

ご覧の通り、宇髄の嫁3人が離してくれそうにない。

乱歩はげんなりした表情で呟く。

江「宇髄、僕たち急いでるんだけど、、、」

宇「ははっ、俺達4人とも宇髄だぜ。
天元で良いよ」

そこじゃない、と内心キレながら平常心を装う乱歩。

何が起きるか分からないこの世界で、いつもより少し慎重になっているらしい。

鏡花は、嫁のまきをと須磨に肩の傷を診て貰っている。

針や糸を取り出す2人に、鏡花が不思議そうに言う。

泉「このぐらいなら、止血して包帯巻いとけば治る」

その途端に非難轟々。

須「駄目よ！
せっかく綺麗な肌してるのに、傷が残っちゃうでしょ！」

ま「このぐらいって言っても、これ結構深く斬れてるけど？」

須「着物も斬れちゃってるんだし、もういっそ全部脱いで！
新しい着物あげるから！」

ま「あたしらのじゃ少し大きいかもしんないけど、ボロボロの着てるよりはマシでしょ」

台所から雛鶴も口を挟む。

雛「お風呂沸いてるわよー」

鏡花、風呂に入った後、傷の手当てをし、新しい着物に着替えることが決定。

宇髄はよっこいしょと腰を上げ、嫁3人に声を掛ける。

宇「もうじき夜が明ける。
俺はお館様のとこに報告に行くから、お前達は江戸川と泉をよろしくな」

雛「はい、天元様」

そしてクスクスと笑って2人を見る。

雛「鏡花ちゃん、まずはお風呂に入って身体を綺麗にしておいで。
乱歩さんはもう寝ちゃってください。
もうじき夜が明けますから、そしたら鬼についても説明致します」

雛鶴に上手くまとめられ、これ以上つっかかるのも面倒臭くなった乱歩。

鏡花はと言うと、須磨が選んだ着物を抱えて、まきをに風呂場へ連行されている。

まぁ一晩ぐらい良いか、と諦めて乱歩は溜息をつく。

乱歩の周りにいる女性は我が強い人ばかりだ。

江「、、、分かったよ。
その代わり、朝起きたら僕の質問全てにきっちり答えること！
もちろん天元も連れて来てよね！
良いね？」

雛鶴の顔面をビシッと指差して言い放つ乱歩。

雛「ええ、勿論」

また少し笑って、雛鶴は頷いた。

72→←70

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す