猟犬の妹は命を救う仕事をしている。 弐 【文スト】

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訓練の小休憩として散歩していた野薔薇が戻って来る。

それを見つけたパンダが、同級生の禪院 真希、狗巻 棘に伝える。

パ「野薔薇が戻ったぞー」

真「よっし、じゃあ休憩は終わりだ。
訓練再開すんぞ」

だが、真希の掛け声に棘が首を振る。

狗「おかか、おかか」

あれを見ろ、という様に釘崎の方を指差す棘。

そちらを見やると、そこには

釘「森で迷ってる一般人拾ったんですけど！」

釘崎の他にもう1人、白髪の少年がいた。

アシンメトリーの髪型と紫の瞳というなかなか奇抜な容姿に、端正な顔立ちの少年だ。

一同は、その色合いに何となく既視感を覚える。

その表情は、心做しか曇っているようだ。

真「、、、誰なんだ、それは」

戸惑ったように真希が訊くが、野薔薇がその答えを知る訳がない。

代わりにパンダが話しかける。

パ「初めまして。
俺はパンダで、こっちは真希、この子は野薔薇で、口元隠してるのは棘だ。
君は？」

動いて喋るパンダにさして驚く様子もなく、その少年は話し始める。

敦「僕は中島 敦です。
ここに来た理由としては、そうですね、人探しですかね。
あの、ここは一体、、、？」

人探し、という理由はあながち嘘でもない。

まあ「呪術高専に来た理由」ではなく「この世界に来た理由」なのだが。

ここは呪術高専である、ということは既に野薔薇から聞いていたが、それでも理解が及ばない。

そもそも呪術って何だ？

異能力とは違うのか？

パ「まず『呪い』って分かるか？」

1番気になっていたところをパンダが尋ねてくれたので、素直に答える敦。

敦「分かんないです」

微妙な空気。

何かいけないことを言ってしまったかな、と少し不安になる。

そんな敦を放って、ひそひそと作戦会議を始める4人。

パ(一般人に呪術や呪霊のことを教えていいのか？)

真(いや、駄目だろ。
てか第一、説明しただけで信じるはずがない。
言うだけ無駄だ)

釘(でも、現にこいつは高専の中にいる訳だし、ここがどういう場所かって説明だけでも、、、)

狗(しゃけしゃけ)

パ(うーん、でもなぁ、、、)

4人の意見が割れてしまう。

と、そこに。

？「野薔薇、真希、棘、パンダ。
お客さんが来たらまずは先生に報告、でしょ？
『報連相』は大事だよ」

何の気配もなく1人の男が現れた。

白髪に碧眼、サングラスをつけた長身の男。

五「やあ、少年。
僕はここの教師をしている五条 悟だ。
よろしくね」

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