【銀魂】サドの扱い方 *4th*

狂乱編 1. 不気味な夕暮れ ページ1

赤い夕暮れの空には、カラスが不気味に鳴きながら旋回していた。






誰にでもわかる。




こんな夕暮れ時には、




──何かが、起こる。









「もう、うるさいなぁ。せっかく面白そうなものを手に入れたのに」




不満そうに子供のような声を漏らす男が一人。

周囲には誰一人、人間の姿はない。



──呼吸をしている人間の姿は。







「あんまりうるさくするんだったら……」








男は持っていた傘を畳むと、
一羽のカラスの喉元に、その先端を突きつけた。





「──殺.しちゃうぞ」







奇妙な笑みを浮かべ、


不自然な殺気を放つ、


サーモンピンク色の髪の男。








その足元に、倒れている少女の名は。









「──あれ、お姉さん死んじゃってないよね？楽しいのはこれからなんだから」




カラスに突きつけた時より優しく、少女の頬をつつく。



息は、あった。






と、その時、男の持っている通信機から声が聞こえた。






「おい、団長？そろそろ行くぞ」







男は、再び奇妙な笑みを浮かべる。

「あぁ、ごめん阿伏兎。ちょっと面白い拾い物してさ。船に連れて帰ろうと思うんだけど、どう？」




「あぁ？……ガキには付き合ってらんねぇな。好きにしろ、面倒は起こすなよ」





「大丈夫だよ、絶対に面白いことになるからさ。あぁ、シンスケに連絡しなきゃ」








弧を描いたその口から、紡がれた言葉。








「──桜塚を、手に入れたって」

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