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シブヤにある可愛らしいカフェ。
その場には似合わない不機嫌そうな面持ちで
席に座っている青年は碧棺左馬刻だ。
此処で誰かを待っているのか、
時間を気にしながら店の扉に目を向けている。
鋭い目付きで扉を見ているのだが、
そんなことは店内にいる誰一人気にしていない。
カラン。
扉の開く音が聞こえた。
入ってきたのは小学生くらいに見える男の子。
きょろきょろと店内を見て彼の姿を確認しては
軽やかな動きで碧棺左馬刻の席までやって来た。
｢左馬刻〜！｣
会いたかったと言わんばかりに飛び付く男の子。
店内という事もあり人目が気になるのか、
離れろと瞳で訴えかける彼の事は気にせずに
そのまま抱きついている男の子は、
｢左馬刻の匂いがする〜｣なんて笑いながら言った。
ピンクとラベンダーのグラデーションががった髪、
彼の名は飴村乱数。
碧棺左馬刻、飴村乱数は
以前、“The Dirty Dawg”というチームを組んでいた。
あと二人と一緒に_________。
現在、
ヨコハマ･デビジョン
“MAD TRIGGER CREW”のリーダーである
碧棺左馬刻。
シブヤ･デビジョン
“Fling Posse”のリーダーである
飴村乱数。
二人で会っているのは極秘なのである。
テリトリーバトルをしている彼らにとって、
二人の関係がまだ続いていると知られるのは
得策ではないからだ。
彼らは店を後にし、特別な場所へと向かう。
彼ら二人しか知らない場所。
二人でいる時は必ずこの場所にやって来る。
この幸せな時間が永遠に続くようにと、
二人で居られる時間を噛み締めるように。
数刻を過ごすのである_________。
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