偽物の笑顔が知っている

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私を送ってくれている間、翼は一言も喋らなかった

私的には何も聞かないでいてくれたのは助かるけど…

それと同時に少し不安の気持ちがあった

(翼は、さっきの事をKZのみんなに言ったりしないかな…？)

いじめられるのは嫌だ

でもその前にKZのみんなに迷惑をかける方が嫌だ

私のことでみんなに面倒をかけたくない

でも翼のあの真剣な目も気になる

私は翼に言いたいことがたくさんありすぎてどれから言えばいいのか迷っていた

そうしてたら知らないうちに家に着いてた

翼「じゃあ秀明でね」

ア「うん」

最後はいつもの翼だった

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あれからは特に何もなかった

別にいじめがなくなるわけでもなかった

靴の中に画鋲

机の落書き

放課後の暴力

いつもと同じように過ごした

あの時は多分いつもと違う事をされたから混乱しただけだったんだと思う

今ではカッターとかのいじめも慣れた

それで先生にも、家族にもいつものように笑って振舞った

笑うたびに何かがすり落ちていく感覚

この感覚にも慣れた

(慣れればなんでも平気になるんだな…)

あの日泣いたのもたまたま慣れてなかっただけ

そう思ったらあの日の事については忘れた

そんな時

翼が家の用事でしばらく学校に来れないと

私はその時

(これで本格的になるなぁ〜…)

私の予想どうりいじめは本格的にエスカレートした

机を廊下に出したり

何かを隠して捨てたり

お弁当を捨てたりしてた

でも別になにも感じなかった

ただこんな事をしてなんの利益があるのかな〜くらいにしか思わなかった

そしたら小塚君から集合がかかった

ただ、なんだか小塚君の様子が少しおかしかった

それに集合場所は若武の家でもなくカフェテリアでもなく

若武の家に行く途中の道にあるあまり人が来ない公園でだった

なんだかものすごく不安になった

ただなんとなく直感って言うか勘って言うか

何かを失う気がした…

何もないといいけど…

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