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私と廉くんの勉強会は
それからほとんど毎日行われた。
朝は8:00の開店時刻から21:00の閉店間際まで。
昼ご飯はコーヒーショップのホットドッグとか
サンドイッチとかで済ませた。
せっかくの夏休みだっていうのに
特に流行っている訳でもない店に入り浸るのは
ちょっと味気ないような気もしたけど、
私はそんな日常も良いものだな、と思った。
廉くんは頭が良くて、分からないと言ったところも
私が少し説明すると直ぐに理解した。
だから、学校での授業だけで理解しなかったのが
不思議に感じられた。
夏休みの終わりごろになっても、私は彼が
どこの高校の生徒かさえ知らなかった。
「A先生は、もうすぐ学校やんな?」
夏休みも残り数日となったある日、
帰り際に廉くんがそう尋ねてきた。
「うん……廉くんは?」
「……俺、高校行ってないんよ」
それを聞いた瞬間に思い浮かんだのは
「不登校」という言葉だった。
それなら彼の今までの言動も納得できる気がした。
何だか反応しづらくて、
「……そうなんだ」
とだけ答えたけれど、
彼が続けたのは予想外の言葉だった。
「……去年、高校辞めてさ……せやから俺、
高認取ろう思っとんねん」
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夜木(プロフ) - れんまるさん» ありがとうございます。愛・感謝です笑 (2019年3月2日 12時) (レス) id: bbfe081cd6 (このIDを非表示/違反報告)
れんまる(プロフ) - 更新お疲れ様です!夜木さんの作品好きで全部読ませていただきました(^^)今後の展開が楽しみです。これからも読ませていただきます! (2019年3月2日 12時) (レス) id: 2dddd4dbd5 (このIDを非表示/違反報告)
夜木(プロフ) - あんぱんまんさん» ありがとうございます。頑張ります。 (2019年3月1日 21時) (レス) id: bbfe081cd6 (このIDを非表示/違反報告)
あんぱんまん - 早く続きが読みたいです! (2019年3月1日 21時) (レス) id: c8796e2e4b (このIDを非表示/違反報告)
rainbow(プロフ) - 頑張ってください!! (2019年2月28日 0時) (レス) id: 0b385c0c45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜木 | 作成日時:2019年2月27日 17時